47都道府県の2020年度予算から読み解く再エネ動向 関東エリア 気候危機回避に向け、2050年カーボンゼロシティ目指す | EnergyShift

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47都道府県の2020年度予算から読み解く再エネ動向 関東エリア 気候危機回避に向け、2050年カーボンゼロシティ目指す

47都道府県の2020年度予算から読み解く再エネ動向 関東エリア 気候危機回避に向け、2050年カーボンゼロシティ目指す

EnergyShift編集部
2020/05/15

2050年CO2排出実質ゼロを目指し、再生可能エネルギーの普及拡大や気候変動対策を実施する地方自治体が増加している。とりわけ人口密度が高い関東エリアでは、地球温暖化を起因とする大規模災害は、人的被害のみならず、都市機能のマヒや企業活動の停止など経済損失も大きい。気候変動対策は喫緊の課題となっている。東京、埼玉、千葉、神奈川などエネルギーの大消費地である大都市圏はどのような再エネ・脱炭素化対策に取り組むのか。1都6県による自治体の独自施策を解説する。

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東京都:687億円投じ「ゼロエミッション東京」の実現目指す

世界では、398の都市が2050年までにカーボンゼロシティを目指し、気候危機対策に取り組む(COP25時点)。日本でも17の都道府県が強靭な都市を構築することで市民の生命を守り、持続可能な経済成長を実現するべく、カーボンゼロを目指している(17都道府県、39市、1特別区、24町、8村がカーボンゼロシティを表明。2020年4月1日時点 環境省資料)。

そのひとつである東京都は、2019年5月、2050年までに脱炭素化を目指す「ゼロエミッション東京」の実現を表明した。その年の12月にはロードマップと具体的な対応策を定めた「ゼロエミッション東京戦略」を策定し、動き始めている。

ゼロエミッション東京戦略では気候変動を食い止める「緩和策」と、すでに起こり始めている影響に備える「適応策」を総合的に展開するといった方針のもと、重点的に取り組む分野を6つに選定している。

例えば、エネルギーでは再エネの基幹エネルギー化および水素エネルギーの普及拡大。都市インフラでは、ゼロエミッションビル・住宅(ZEB・ZEH)の促進、そしてゼロエミッションビークル(ZEV)の普及。資源・産業では、「3Rの推進」「プラスチック対策」「食品ロス対策」「フロン対策」に取り組むといった内容だ。
そのうえで、次のような2030年目標と、2050年の目指すべき姿を掲げている。

ゼロエミッション東京戦略の概要 出典:東京都環境局

エネルギー分野では、使用エネルギーの100%脱炭素化という最終ゴールに向け、2030年までに太陽光発電設備導入量を2017年度53万kWから130万kWへ拡大させる。また再エネ電力利用割合は、2017年度14.1%から30%まで上昇させる方針だ。

2018年度時点で5万3,847台だった家庭用燃料電池は100万台へ、業務・産業用燃料電池は約2,300kW(2018年度)から3万kWに増やす。水素ステーションは14ヶ所から150ヶ所まで整備することで、再エネが大量導入された将来、発生する余剰再エネを水素によって貯蔵・供給する仕組みを構築する計画だ。このほか、都内すべての建物のZEB化や都内を走るすべての自動車のZEV化などを目指す。

東京都では、2030年目標を上回る「2030年目標+アクション」という実行策を掲げ、2020年度の予算編成を行なった。ゼロエミッション東京の実現に向けた予算額は、2019年度比243億円増の687億円にのぼる。

まず、「自家消費プラン」「スマートエネルギーネットワーク構築事業」「地産地消型再エネ増強プロジェクト」を新たに予算化し、太陽光発電などの再エネ設備や蓄電池などへの導入補助、税制などのインセンティブにより、FITに頼らない自家消費を推進していく。予算額は54億円を超えた。4,200万円を計上し都内産卒FIT電力を都有施設で積極活用する「とちょう電力プラン」も進める。

再エネ利用を飛躍的に高めるため、再エネ電力販売事業者と事業者とのマッチングや、RE100宣言企業の拡大を目指した支援策。企業や行政などの電力の調達規模を活用し、PPAを推進することで再エネの新規導入も進める。

家庭部門ではZEH推進、さらに住宅用太陽光発電初期費用ゼロ事業や蓄電池の導入補助によって、非常時のエネルギーの自立化や電力系統の負荷軽減を図る。このほか、一般家庭を一定規模まとめることで電気の購買力を高め、安価に再エネ電気が調達できるよう、再エネ電力のグループ購入にも取り組んでいく。そのほかの主要予算は次の通り。

東京都

家庭のゼロエミッション行動推進事業
2020年度予算額
61億4,900万円(2019年度予算額:44億8,400万円)
概要
家庭の省エネ行動を促すため、省エネ性能の高い家電等への買替に対し、東京ゼロエミポイントを付与する。
エアコン
  • 2020年度補助台数:201,000台
  • 2019年度補助台数:139,000台
冷蔵庫
  • 2020年度補助台数:121,000台
  • 2019年度補助台数:84,000台
給湯器
  • 2020年度補助台数:49,000台
  • 2019年度補助台数:34,000台

東京ゼロエミ住宅導入促進事業
2020年度予算額
21億7,100万円(2019年度予算額:18億900万円)
概要
東京の地域特性を踏まえて省エネ性能の高い住宅を普及させるため、都が定める水準を満たす新築住宅に対して補助を行う。
戸建住宅
  • 2020年度補助件数:1,900戸
  • 2019年度補助件数:1,500戸
集合住宅
  • 2020年度補助件数:1,170戸
  • 2019年度補助件数:1,170戸
太陽光発電設備
  • 2020年度補助件数:905件
  • 2019年度補助件数:722件

家庭における熱の有効利用促進事業
2020年度予算額
12億4,200万円(2019年度予算額:0円)
概要
既存住宅の窓、玄関ドアの改修により断熱性能を高めるとともに、太陽熱利用機器等の導入を促進することで、家庭のエネルギー消費量削減を推進する。
補助率
1/6等

水素を活用したスマートエネルギーエリア形成推進事業
2020年度予算額
4,500万円(2019年度予算額:6億3,600万円)
概要
業務・産業用燃料電池等の設置に対してエネルギーの面的利用を推進するため補助するとともに、家庭用燃料電池の導入を支援し、水素社会の実現を推進する。

省エネ・ゼロエミ意識の普及啓発
2020年度予算額
1,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
脱炭素化につながる行動を都民が選択する機運を醸成するため、脱炭素化に資する商品・サービス等を提供する事業者と連携した事業を展開する。

ZEV(ゼロエミッション・ビークル)導入促進事業
2020年度予算額
34億3,500万円(2019年度予算額:18億5,200万円)
概要
走行時にCO2を排出しないZEVの導入促進のため、購入費等を補助する。
電気自動車(EV)
  • 2020年度補助台数:4,000台
  • 2019年度補助台数:2,000台
プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV)
  • 2020年度補助台数:7,000台
  • 2019年度補助台数:4,000台
燃料電池自動車(FCV)
  • 2020年度補助台数:1,000台
  • 2019年度補助台数:800台
電動バイク
  • 2020年度補助台数:400台(5ヶ年)
  • 2019年度補助台数:ー

次世代タクシー導入促進事業
2020年度予算額
36億3,300万円(2019年度予算額:0円)
概要
環境性能が高く、車椅子のまま乗車ができるユニバーサルデザインタクシーの導入について補助を行い、タクシーのCO2排出量削減とバリアフリー化を推進する。

燃料電池バス導入促進事業
2020年度予算額
1億1,900万円(2019年度予算額:32億5,300万円)
概要
水素社会の早期実現に向けて燃料電池バスの普及を促進するため、補助を行う。

EVバス導入促進事業
2020年度予算額
1億1,100万円(2019年度予算額:0円)
概要
コミュニティバス等の小型EVバスの導入に対して補助を行うことで、バスのZEV化に向けた機運を醸成する。

ZEV普及のための大規模イベントの調査・検討
2020年度予算額
1,000万円(2019年度予算額:1,000万円)
概要
集客力のある大規模イベントによるZEVの普及啓発について、調査・検討を行う。

充電設備導入促進事業
2020年度予算額
5億7,700万円(2019年度予算額:1億3,900万円)
概要
ZEVの普及拡大に向けて、区市町村・民間施設への公共用充電設備の設置を促進するため、充電設備の設置費および急速充電設備の維持管理費の補助等を行う。
基礎充電(集合住宅・事務所等)
  • 2020年度補助規模:100基
  • 2019年度補助規模:100基
目的地充電(区市町村・民間施設)
  • 2020年度補助規模:355基
  • 2019年度補助規模:50基

都有施設における充電設備設置事業
2020年度予算額
1億4,700万円(2019年度予算額:1,100万円)
概要
ZEVの普及拡大に向けて、都有施設に公共用の充電設備を設置する。
普通充電設備
  • 2020年度補助規模:100基
  • 2019年度補助規模:0基
急速充電設備
  • 2020年度補助規模:30基
  • 2019年度補助規模:0基

水素社会実現に向けた燃料電池ごみ収集車運用事業
2020年度予算額
7,400万円(2019年度予算額:1,800万円)
概要
排出ガス・騒音の改善や地球温暖化の抑制を図るため、燃料電池ごみ収集車の開発・運用に向けた取り組みを行う。

企業・団体との連携による水素エネルギー促進事業
2020年度予算額
3億2,000万円(2019年度予算額:1億2,000万円)
概要
東京2020大会を契機に水素エネルギーを見える化し、普及を促進することで、水素社会の早期実現を目指す。

ZEV庁有車の導入
2020年度予算額
3億4,200万円(2019年度予算額:3億5,700万円)
概要
更新期の到来した庁有車等をZEVへ切り替えるとともに、電動バイクの活用を促進する。
2020年度補助台数
88台(2019年度補助台数:74台)

事業所等における省エネルギー対策の推進
大規模事業所対策
2020年度予算額
3億6,700万円(2019年度予算額:4億4,800万円)
概要
大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の運用 中小規模事業所対策
2020年度予算額
3億9,700万円(2019年度予算額:3億5,800万円)
概要
  • 中小規模事業所向け地球温暖化対策報告書制度の運用
  • 相談窓口の運営・省エネ診断の実施 
  • 地域の多様な主体と連携した中小規模事業所省エネ支援事業

スマートエネルギーネットワーク構築事業
2020年度予算額
6億1,300万円(2019年度予算額:0円)
概要
事業所のエネルギー効率向上および再生可能エネルギー導入拡大を図るため、コージェネレーションシステムや太陽光パネルを設置し、複数の建物間でのエネルギー融通を行う取り組みを支援する。

とちょう電力プラン
2020年度予算額
4,200万円(2019年度予算額:0円)
概要
都有施設で使用する電力の再生可能エネルギー化100%を目指すため、将来に向けた課題を検証しつつ、都内で生産された卒FIT電力を含む再生可能エネルギーを一部の都有施設で活用する。

自家消費プラン
2020年度予算額
45億4,200万円(2019年度予算額:0円)
概要
太陽光発電による電力の自家消費を拡大するため、蓄電池システムの導入経費に対して補助を行う。
補助率
1/2
2020年度補助台数
7,320台(2019年度補助台数:0台)

地産地消型再エネ増強プロジェクト
2020年度予算額
3億1,500万円(2019年度予算額:0円)
概要
民間事業者等が都内に導入する自家消費型再生可能エネルギーの設備整備費を補助することで、再生可能エネルギーの普及拡大を図る。

地域RE100の実現にも資する需給調整モデル事業に向けた調査
2020年度予算額
3,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
地域での再生可能エネルギー電力の需給調整について、最適な運用方法の検証や新技術等についての調査を実施する。

太陽光パネル高度循環利用に対する東京モデルの提案
2020年度予算額
1億5,100万円(2019年度予算額:3,000万円)
概要
高度な3R技術を駆使した太陽光パネル未来型循環社会システム「東京モデル」を世界に先駆けて提案する。

■ 参照データ

太陽エネルギー利用拡大プロジェクト(ソーラーカーポート)
2020年度予算額
100.5万円(2019年度予算額:211.8万円)
概要
これまで利用されていなかった駐車場の上部空間を有効活用したソーラーカーポートを活用し、普及啓発セミナーを実施するなど、 太陽エネルギーの普及拡大を促進する。

島しょでの再エネ100%運用を目指した検討
2020年度予算額
3,710.3万円(2019年度予算額:6,090.9万円)
概要
小笠原諸島の母島において再エネ100%実証事業を実現するため、自然環境調査等候補地選定に向けた取り組みを実施する。

環境保全資金融資あっせん
2020年度予算額
295.3万円(2019年度予算額:258.5万円)
概要
自動車に起因するNOxやCO2の削減を図るため、低公害・低燃費車へ買い換える中小企業を融資あっせん等で支援する。

環境保全資金融資あっせん(過年度分)
2020年度予算額
1,366.5万円(2019年度予算額:1,416.7万円)
概要
指定低公害・低燃費車への買い換えに対し、融資あっせんや利子・信用保証料の補助をする。

■ 参照データ

神奈川県:気候非常事態宣言にもとづき予算編成

神奈川県は2019年11月、SDGs先進県として「2050年までに脱炭素社会の実現を目指す」と表明し、続く2020年2月には、気候は今、非常事態に直面しているとして「気候非常事態」を宣言した。

「県民のいのちを守る持続可能な神奈川」の実現に向けて、市町村や企業、アカデミア、県民など多様な主体と連携し、「今のいのちを守るため、風水害対策等の強化」、「未来のいのちを守るため、2050年の『脱炭素社会』の実現に向けた取り組みの推進」、「気候変動問題の共有に向けた、情報提供・普及啓発の充実」、この3つを基本的な柱とし、気候変動対策に取り組んでいる。

もともと神奈川県では、2014年度から太陽光発電など再エネの導入加速化、水素エネルギーの導入拡大、省エネ促進とスマートコミュニティの形成、そして自立的なエネルギーの需給調整を図る、分散型エネルギーシステムの構築を目指し、「かながわスマートエネルギー計画」を推進してきた。
その計画の中で2020年度は総額8億4,452万円の予算を計上し、新たな施策を実施する。そのうちのひとつである「太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助」は、FIT制度の見直しなどにより、太陽光発電の新規導入量が鈍化する中において、一般住宅向けに太陽光発電の設置費用が不要となる0円ソーラーの普及促進に取り組む。予算額は9,250万円。
さらに1億1,100万円を投じ、蓄電池の導入補助も行うことで、エネルギーの地産地消を促進する。

かながわスマートエネルギー計画の推進 出典:神奈川県

また、安定した分散型エネルギー源の導入拡大に向けて、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)などの導入促進や、再エネ由来の水素利用技術の研究などに4億3,629万円の予算を計上。さらにZEHやZEBの拡大など、省エネ・節電の徹底に向け1億2,670万円を計上している。
このほか県有施設の再エネ100%化、そして企業庁の水力発電で得られる電気料金収入のうち、環境価値を基金に積み立て、気候変動対策を推進する「アクアdeパワーかながわ」なども実施していく。

料金プラン「アクア de パワーかながわ」の概要 出典:神奈川県

こうした災害に強いまちづくりなどの「適応策」と温室効果ガスの削減を図る「緩和策」によって、まずは2030年度の県内温室効果ガスの総排出量を2013年度比で27%の削減を目指す方針だ。そのほかの主要予算は次の通り。

神奈川県

太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助
2020年度予算額
9,250万円(2019年度予算額:0円)
概要
太陽光発電のさらなる導入拡大を図るため、初期費用ゼロで住宅用太陽光発電設備を設置する(0円ソーラー)に対して補助する。

太陽光発電等普及啓発事業費
2020年度予算額
3,742万円(2019年度予算額:3,369万円)
概要
「太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助」および「共同購入事業」の認知度向上などにより、太陽光発電等の導入を促進するため、新たにインターネット等を活用したPRを実施する。

防災拠点等への太陽光発電設備の設置
2020年度予算額
4,400万円(2019年度予算額:0円)
概要
防災拠点や避難所等として位置付けている県有施設に非常用電源としても活用できる自家消費型の太陽光発電設備および蓄電池を導入する。

自家消費型太陽光発電等導入費補助
2020年度予算額
8,800万円(2019年度予算額:7,950万円)
概要
固定価格買取制度を利用しない太陽光発電等の導入を促進するため、事業所への自家消費型の太陽光発電設備等の導入に対して補助する。

共同住宅用自家消費型太陽光発電等導入費補助
2020年度予算額
1,000万円(2019年度予算額:3,000万円)
概要
固定価格買取制度を利用しない太陽光発電等の導入を促進するため、共同住宅への自家消費型の太陽光発電設備および蓄電池の導入に対して補助する。

蓄電池導入費補助
2020年度予算額
1億1,100万円(2019年度予算額:1億5,600万円)
概要
太陽光発電のさらなる導入拡大に向けて、太陽光で発電した電気を効率的に利用するため、住宅や事業所における太陽光発電設備と併せた蓄電池の導入に対して補助する。

EV活用自家消費システム導入費補助
2020年度予算額
1,550万円(2019年度予算額:1,000万円)
概要
電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)を蓄電池として利用するため、建物とEV・PHVの間で充給電を行うV2H設備の導入に対して補助する。

分散型エネルギーシステム導入費補助
2020年度予算額
1,700万円(2019年度予算額:1,700万円)
概要
ガスコージェネレーション等の導入を促進するため、生産した電力と熱を事業所間で融通するなど、効率的な利用を図るモデル事業に対して補助する。

燃料電池自動車等導入費補助
2020年度予算額
2,750万円(2019年度予算額:5,900万円)
概要
水素エネルギーの導入を促進するため、個人や事業者による燃料電池自動車(FCV)等の導入に対して補助する。

水素ステーション整備費補助
2020年度予算額
3,500万円(2019年度予算額:3,500万円)
概要
FCVの普及に不可欠な、水素ステーションの整備を促進するため、事業者による水素ステーションの整備に対して補助する。

水素供給設備導入事業費補助
2020年度予算額
2,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
水素を燃料とする燃料電池フォークリフトの普及のため、事業者による水素供給設備の整備に対して補助する。

水素エネルギー利用の技術的研究
2020年度予算額
2億1,029万円(2019年度予算額:520万円)
概要
再生可能エネルギーの有効利用に向け、再生可能エネルギー由来の水素の利用方法に係る技術的研究を行う。

エネルギー自立型住宅促進事業費補助
2020年度予算額
7,600万円(2019年度予算額:9,000万円)
概要
省エネと創エネにより年間の一次エネルギー消費量を正味でゼロにする、ネット・ゼロ・ エネルギー・ハウス(ZEH)の導入や、ZEH化することが困難な既存住宅の省エネ改修工事に対して補助する。

ZEB導入費補助
2020年度予算額
2,500万円(2019年度予算額:2,500万円)
概要
省エネと創エネにより年間の一次エネルギー消費量を正味でゼロにする、ネット・ゼロ・ エネルギー・ビル(ZEB)の導入を促進するため、ZEBの実現を目指すモデル事業に対して補助する。

中小規模事業者の省エネルギー対策の促進
2020年度予算額
815万円(2019年度予算額:927万円)
概要
県内の中小規模事業者の省エネルギー対策への取り組みを支援するため、中小規模事業所および中小テナントビルへの省エネ診断を実施する。

温暖化対策計画書制度の運用
2020年度予算額
527万円(2019年度予算額:534万円)
概要
県内の温室効果ガス削減に向けた取り組みの促進を図るため、一定規模以上の事業活動・建築物・開発事業についての計画書制度を着実に運用する。

家庭の省エネルギー対策の促進
2020年度予算額
1,226万円(2019年度予算額:1,220万円)
概要
ライフスタイルの転換を促すため、「マイエコ10(てん)宣言」の普及を図るとともに学校や地域での環境教育を推進する。また、民間事業者と連携した既存住宅の省エネ改修等の促進に向けた事業を実施する。

地域電力供給システム整備事業費補助
2020年度予算額
800万円(2019年度予算額:800万円)
概要
エネルギーの地産地消を推進するため、小売電気事業者が地域の住宅や事業所等に設置された太陽光発電設備等から電力を調達し、地域に供給するモデル事業に対して補助する。

スマートエネルギー関連製品等開発促進事業費
2020年度予算額
159万円(2019年度予算額:159万円)
概要
エネルギー関連産業への参入促進を図るため、中小企業が行う、ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)や、水素・燃料電池関連の技術開発・製品開発を支援する。

■ 参照データ

群馬県:「ぐんま5つのゼロ宣言」を表明

群馬県も2019年12月、2050年カーボンゼロシティを目指し「ぐんま5つのゼロ宣言」を表明している。
ぐんま5つのゼロ宣言とは、自然災害による死者「ゼロ」、温室効果ガス排出量「ゼロ」、災害時の停電「ゼロ」、プラスチックごみ「ゼロ」、食品ロス「ゼロ」を実現することで、災害に強く、持続可能な社会の構築を目指すものである。

ビジョン実現に向け、2020年度はハード・ソフト両面での防災・減災対策の集中的な実施(予算額約343億円)、「ぐんま再生可能エネルギープロジェクト」の推進(予算額約2.2億円)、県保有の水力発電所の整備(予算額約2.5億円)、プラスチックごみ・食品ロス削減に係る普及啓発(予算額約390万円)、フードバンク・こども食堂の支援(予算額約425万円)を中心に取り組む方針だ。

その中でも、ぐんま再生可能エネルギープロジェクトでは、自立・分散型電源の構築はじめ、水素の利用促進を図ることで、低炭素で安全安心な地域づくりを目指す。詳細は次の通り。

群馬県

ぐんま再生可能エネルギープロジェクト
2020年度予算額
2億2,325.8万円(2019年度予算額:0円)
概要
地域における自立・分散型電源の構築、普及促進とともに水素の利用促進を図り、低炭素で安全安心な地域づくりを積極的に推進。 住宅用太陽光発電整備等導入資金(制度融資・金利1%)
2020年度予算額
1億9,785.1万円(2019年度予算額:2億8,345.3万円) 県有施設に太陽光発電設備と蓄電池を整備
2020年度予算額
2,500万円(2019年度予算額:0円) 地域マイクログリッドの検証およびマスタープラン策定
2020年度予算額
30万円(2019年度予算額:0円)
概要
地域に存在する再生可能エネルギーを活用し、災害等による大規模停電時に自立して電力を供給できる「地域マイクログリッド」の構築を民間企業と検証し、マスタープランを策定 水素の利用促進
2020年度予算額
10.7万円(2019年度予算額:0円)
概要
有識者会議開催

■ 参照データ

栃木県:奥日光でのMaaS実証に取り組む

栃木県でも、昨秋の台風15号、19号など大規模気候災害に直面した危機感から、災害に強い地域づくりを進めている。2020年度は、地域資源を生かした再エネの利活用や分散型電源の導入促進によって、エネルギー自給率の向上を図り、持続可能なエネルギーへの転換を目指す。

具体的には太陽光発電など再エネ発電設備の導入支援策として約6.9億円を予算化した。またFCV普及拡大に向け約1億円を投じる。このほか、MaaS(Mobility as a Service)を活用した観光地における交通モデルを構築するため、県有バスのEV化やカーシェアリング促進のためのEV充電器の整備、MaaSの利用促進などに約1億円を計上している。主要予算の詳細は次の通り。

栃木県

FCV導入促進事業費
2020年度予算額
1億500万円(2019年度予算額:1億1,312.8万円) 商用水素ステーション整備支援事業費
2020年度予算額
1億円(2019年度予算額:1億円)
事業主体
県内で水素供給設備を整備する法人等
補助率
1/4以内
補助上限額
1億円 FCV導入支援事業費
2020年度予算額
500万円(2019年度予算額:986.8万円)
補助対象
FCVを導入する県内に事務所または事業所を有する法人、県内に主たる住居、事務所または事業所を有する個人など
補助額
100万円/台

エネルギー産業立地促進補助金
2020年度予算額
4億5,000万円(2019年度予算額:0円)
概要
本県産業団地等へのエネルギー産業関連企業立地促進のための助成
対象地域
敷地面積1ha以上
対象業種
発電業(木質バイオマスまたは天然ガスを利用するものに限る)
補助要件
5人以上の県内新規雇用者の確保
補助率
  • 土地:不動産取得税の課税標準額の3%
  • 建物:不動産取得税の課税標準額の4%
  • 生産設備:投下固定資産額のうち30億円を超えた額に係る生産設備相当分の5%(補助額は国庫補助金等を除く)
補助上限額
5億円

低炭素社会づくり促進事業費
2020年度予算額
2,286.9万円(2019年度予算額:2,471.7万円)
概要
県内事業者の省CO2設備の導入支援等に要する経費 とちぎプラットフォーム構築事業費
2020年度予算額
283.9万円(2019年度予算額:283.9万円) 省CO2設備導入補助事業費
2020年度予算額
2,000万円(2019年度予算額:2,000万円)
補助対象
ボイラー、空調設備、照明設備等の省CO2化更新、コージェネレーション設備の設置
補助要件
温室効果ガス排出量の削減が年間10t-CO2以上見込めること(コージェネレーション設備は、発電出力が10kW未満の設備であること)
補助率
1/3
補助限度額
100万円 温暖化対策優良事業所認定制度
2020年度予算額
3万円(2019年度予算額:4.6万円)

再生可能エネルギー導入促進事業費
2020年度予算額
6億9,736.3万円(2019年度予算額:7億8,824.2万円)
概要
太陽光等の再生可能エネルギーの導入促進に要する経費 ①再生可能エネルギー利活用促進事業費
2020年度予算額
116.1万円(2019年度予算額:8.3万円)
概要
中小企業に対する災害電源対策としての太陽光発電設置可能性調査等 ②住宅用太陽光発電導入加速化事業費(継続貸付分)
2020年度予算額
4,231.5万円(2019年度予算額:7,253.5万円) ③エネルギー対策資金貸付事業費
2020年度予算額
6億4,941万円(2019年度予算額:7億859.5万円) 事業用発電設備導入支援貸付事業費
2020年度予算額
4億4,941万円(2019年度予算額:5億859.5万円)
融資枠
2億円(新規貸付分)
融資限度額
1億円 事業用省エネ設備等導入支援貸付事業費
2020年度予算額
2億円(2019年度予算額:2億円)
融資枠
1億円(新規貸付分)
融資限度額
1億円 ④再生可能エネルギー熱利活用促進事業費
2020年度予算額
440.6万円(2019年度予算額:545.8万円)
概要
事業所に対する排熱利用設備の導入可能性調査等 ⑤太陽光発電施設適正導入促進事業費
2020年度予算額
7.1万円(2019年度予算額:7.1万円)

奥日光EV導入促進事業費
2020年度予算額
1億296.5万円(2019年度予算額:0円)
概要
MaaSを活用した観光地における交通モデルの構築等に要する経費 ①観光型MaaS活用交通モデル構築事業費
2020年度予算額
1億287.3万円(2019年度予算額:0円) デマンド交通自立運営可能性調査費
2020年度予算額
1,100万円(2019年度予算額:0円) 県有バスEV化更新事業費
2020年度予算額
8,049.5万円(2019年度予算額:0円) 県営駐車場EV充電設備整備事業費
2020年度予算額
187.8万円(2019年度予算額:0円) 普及啓発事業費
2020年度予算額
950万円(2019年度予算額:0円) ②日光EV推進連携会議運営費
2020年度予算額
9.2万円(2019年度予算額:0円)

■ 参照データ

埼玉県:環境分野における埼玉版SDGsを推進

埼玉県では、超少子高齢化時代に向けたコンパクトシティの実現や再エネ利活用など環境分野における埼玉版SDGsの推進によって、持続的発展が可能な社会づくりを目指している。

2020年度は、エネルギー分野において業務用地中熱などの再エネ設備への導入補助、一般家庭への燃料電池や蓄電池などの導入補助を継続する。また、太陽光発電施設の設置に伴う周辺住民の意向に反した開発防止にも取り組んでいく。予算額は総額1億6,300万円が計上されている。

このほか、中小企業・家庭部門での省エネの徹底に向け、総額3億4,100万円が計上された。

埼玉県

中小企業等省エネルギー対策支援
2020年度予算額
1億8,887.1万円(2019年度予算額:1億5,046.2万円) CO2排出削減設備の導入に対する助成
概要
中小企業が実施するCO2排出削減のための設備導入に対する補助
補助率
1/3~1/4(上限額500万円~1,000万円) IoT等を活用した省エネ設備の導入に対する助成
概要
中小企業の工場等へのIoT等を活用したスマート省エネ技術の導入補助
補助率
1/3(上限額1,000万円) 省エネによる経営力の向上支援
概要
中小企業に省エネルギーの専門家を派遣し、具体的な省エネルギー対策を提案 中小企業のCO2削減対策見える化支援
2020年度予算額
750万円(2019年度予算額:0円)
概要
エネルギー使用量の多い中小企業のCO2削減対策状況を業種ごとに集計・分析した結果(CO2削減分析カルテ)で見える化
分析カルテを活用し、業種ごとの特徴に適した省エネ対策ポイントを企業に広く展開 市民共同発電の普及推進
2020年度予算額
428万円(2019年度予算額:0円)
概要
市民からの寄附を募り、幼稚園等の公益的施設に太陽光発電設備を設置する市民共同発電事業へ補助
補助率
1/2(上限額60万円)
概要
民間企業による寄附を活用する仕組みを新たに構築

分散型エネルギー利活用設備(業務用)の普及
2020年度予算額
5,971.6万円(2019年度予算額:5,971.6万円) 再生可能エネルギー利活用設備の設置支援
概要
小水力発電設備、地中熱利用システム等の再生可能エネルギー利活用設備を設置する民間事業者に対し、国と連携して補助
補助率
1/6(地中熱は1/3) コージェネレーションシステムの設置支援
概要
ガスから電気と熱をつくるコージェネレーションシステムを設置する民間事業者に対し、国と連携して補助
補助率
1/6 業務・産業用燃料電池の設置支援
概要
燃料電池の普及を目指し、民間事業者に対し国と連携して補助
補助率
1/6(上限額5,000万円)

住宅の低炭素化の促進
2020年度予算額
4,132.6万円(2019年度予算額:6,046.5万円) 住宅用省エネ設備の普及
概要
既存住宅への家庭用燃料電池(エネファーム)等の導入に対する補助
補助額
5万円(エネファームを導入する場合) 住宅用地中熱利用システムの普及に向けた取組
概要
住宅用地中熱ヒートポンプ実証設備を運転し、データの収集・解析を実施

再生可能エネルギー電力活用住宅の普及促進
2020年度予算額
5,841万円(2019年度予算額:5,898.5万円)
概要
既存住宅への住宅用蓄電池の導入に対する補助

安全・安心な太陽光発電施設設置に向けた体制整備
2020年度予算額
340.1万円(2019年度予算額:267.9万円)
概要
太陽光発電施設の設置に伴って周辺住民の意向に反した開発等が行われないよう、市町村等の関係機関と連携して対応

環境創造融資事業(環境みらい資金)
2020年度予算額
2,450万円(2019年度予算額:2,547.1万円)
概要
CO2排出削減対策に取り組む事業者が金融機関から融資を受ける際にその利子の一部を支援(融資枠5.5億円→7.0億円)
貸付利率
0.3%(信用保証付0.01%)
融資枠
7億円(限度額1億5,000万円/件)

■ 参照データ

分散型エネルギーの拡大目指す茨城、千葉

このほか、茨城県では自立・分散型エネルギーの構築に向け、家庭用燃料電池や蓄電池への導入補助などに取り組む。千葉県もエネルギーの自給率向上を目指し、住宅用太陽光発電、家庭用燃料電池・蓄電池などに対し、3億円を計上している。茨城県、千葉県の詳細は次の通り。

茨城県

環境保全施設資金融資
概要
県内の中小企業者に対し、環境保全施設や省エネルギー・再生可能エネルギー施設(再生可能エネルギー施設については、発生したエネルギーを専ら自らの施設で消費する目的のものに限る。)を設置する際に要する資金の融資あっ旋および利子補給を行う。
融資対象事業
省エネルギー・再生可能エネルギー施設の設置や改善
融資限度額
  • (1)融資対象となる事業費から地方自治体等の補助額を控除した額に80%を乗じた額
  • (2)一つの貸付事業につき500万円を限度。ただし、再生可能エネルギー施設の設置等、知事が必要と認めた場合は1,500万円
融資利率
  • 5年超~7年以内:2.3(1.8)%
  • 3年超~5年以内:2.2(1.7)%
  • 3年以内:2.1(1.6)%
※カッコ内は保証付き

中小規模事業所省エネ対策設備導入補助金
2020年度予算額
1,000万円(2019年度予算額:1,000万円)
概要
省エネルギー診断を受診した中小規模事業所を対象に,診断時の改善提案に基づく省エネ設備導入時に必要となる費用を補助する。
補助率
設計費、設備装置等購入費、工事費の3分の1以内(上限100万円)

自立・分散型エネルギー設備導入補助事業
2020年度予算額
2,500万円(2019年度予算額:2,500万円)
概要
家庭用燃料電池(エネファーム)および蓄電池の普及促進を図ることを目的に、家庭用燃料電池等を購入する県民へ市町村を通じて助成を行う。
補助限度額
1設備あたり5万円(上限)

■ 参照データ

千葉県

住宅用省エネルギー設備等導入促進事業
2020年度予算額
3億円(2019年度予算額:3億1,550万円)
概要
住宅用の省エネルギー設備等の導入を促進するため、太陽光発電設備や家庭用燃料電池(エネファーム)などの設置経費に対し助成する(県補助は市町村を通じて実施)。 太陽光発電設備
2020年度予算額
8,550万円
補助単価
2万円/kW(上限額9万円/件) 家庭用燃料電池(エネファーム)
2020年度予算額
6,000万円
補助単価
5万円/件 家庭用蓄電池
2020年度予算額
1億5,000万円
補助単価
10万円/件 太陽熱利用システム
2020年度予算額
50万円
補助単価
5万円/件 窓の断熱改修
2020年度予算額
400万円
補助単価
補助対象経費×1/4(上限額8万円/件)

■ 参照データ

関東エリアのまとめ

大都市ゆえ、再エネの導入ポテンシャルは低いものの、財政力が比較的豊な自治体が多いだけあって、気候変動対策にかける予算は巨額だ。その背景には2020年代からの今後10年間の取り組みが、2050年カーボンゼロ達成の成否を握るという危機感がある。こうした危機意識は、今後、財政力の大小問わず多くの自治体に拡がっていくことが予想される。

北海道・東北エリアはこちら

Energy Shiftの補助金データベースもご覧ください

(Text:藤村朋弘)

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