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ポーランドで脱石炭に向けて小型原子炉導入の調査

ポーランドで脱石炭に向けて小型原子炉導入の調査

2021年09月28日

2021年9月23日、米国の小型の原子炉である小型モジュール炉(SMR)のメーカーであるNuScaleが、ポーランドにおける石炭火力発電所の代替として原子力導入の調査を行うことで、2つの企業グループとMOU(覚書)を締結した。

1つは、ポーランドの鉱山企業KGHM、およびポーランドのコンサルタント会社PBEとの3者によるもの。もう1つは、米国の総合エネルギー会社であるGetka、およびポーランドのエネルギー資産運用会社のUNIMOTとの3者によるもの。

いずれのMOUにおいても、NuScaleは、石炭火力を原子力によってリパワリングするという、各社の検討のサポートを行う。

ポーランドは欧州において、石炭火力発電の割合が高い一方で、再生可能エネルギーの導入が進んでおらず、脱炭素化に向けた取り組みが遅れている。こうした状況に対し、老朽化した火力発電所を利用し、SMRを導入することで、電源の脱炭素化が可能になるということだ。ポーランド国内では、PBEによって、2009年から原子力の導入が検討されてきた。

NuScaleのSMRは、米国原子力規制委員会から唯一認証を受けたものとなっている。出力は7万7,000kWと、既存の軽水炉よりもはるかに小さい加圧水式原子炉(PWR)だが、工場で組立てて出荷することで工期を短縮でき、最大12基を設置することで大型原子炉と同様の出力を得ることができる構造となっている。現在、米国やカナダをはじめ、欧州や中東など世界各地で計画が進められているが、まだ運転開始したものはない。

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EnergyShift編集部
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