ウェザーニューズ 海運業のCO2排出量を可視化、リアルタイムで把握 | EnergyShift

脱炭素を面白く

EnergyShift(エナジーシフト)
EnergyShift(エナジーシフト)

ウェザーニューズ 海運業のCO2排出量を可視化、リアルタイムで把握

ウェザーニューズ 海運業のCO2排出量を可視化、リアルタイムで把握

2021年09月30日

気象情報大手のウェザーニューズは9月29日、海運業界向けのCO2排出量監視サービス「CIM(Carbon Intensity Monitoring)」をバージョンアップし、日本国内で本格的に提供を開始したと発表した。「CIM」を活用することで、船主や船舶管理会社は所有する船舶のCO2排出量と環境性能をタイムリーに確認することができるという。

「CIM」は船舶のCO2排出量の可視化を目的とし、船舶のCO2排出量や環境性能の計測業務を支援するサービスだ。海外ではすでに提供が開始されており、船舶ごとのCO2排出量や燃料消費量などのデータを収集し、蓄積したデータを船主や船舶管理会社にAPIなどで航海終了後に提供してきた。

今回のバージョンアップでは、航海時にWEBでリアルタイムにCO2排出量を把握できるようにしたほか、航海終了時にCO2排出量や燃料消費量、航行距離などから環境性能を評価できる機能を追加した。

今年6月、国際海事機関(IMO)によって、温室効果ガス(GHG)の削減目標を達成するため、大型外航船を対象にした新たな規制「燃料実績格付け制度」が採択された。「燃料実績格付け制度」は、各船の1年間の年間平均燃費実績(Carbon Intensity Indicator:CII)を計測し、格付け(A〜Eの5ランク)によって評価する制度だ。

これにより、2023年からは船舶の年間平均燃費実績から環境性能が評価されるようになるため、船主や船舶管理会社では燃費対策が急務となっている。同社はCIMをバージョンアップすることで、新たな環境規制への対応も可能だとしている。

同社は、2022年中に最適航路選定を支援する「OSR(Optimum Ship Routeing)」サービスに、CO2を削減する環境性重視の航路・速度を選択できる機能を追加する予定。「CIM」と「OSR」を組み合わせることで、環境性を重視した航海とそれによる実際の排出削減量の可視化が可能になる。

さらに今後は環境対策をデジタル技術でサポートする4つの「環境運航支援サービス」を段階的に打ち出していく予定。これまでに、CO2などのGHG削減を支援する「CO2排出量監視サービス(CIM)」や座礁事故防止による海洋環境保護に貢献する「座礁対策支援サービス(NAR)」の提供を開始した。

来年以降は、第三弾として経済的損失を補償する「VPP(Voyage Planning Protection)」、第四弾としてCO2排出削減量を客観的に評価する「MCB(Marine Carbon Blocking)」のサービス開始を計画する。

海運業界のCO2削減を後押しすることが期待されている。

EnergyShift関連記事
ウェザーニューズと竹中工務店、気候変動対策に関する協定を締結
新生銀行、海運業界のCO2排出規制を融資基準に反映させる「ポセイドン原則」に加盟

EnergyShift編集部
EnergyShift編集部

EnergyShift編集部

ニュースの最新記事