脱炭素時代において、蓄電池の重要性が増すとこれまでも何度か取り上げたが、その認識は徐々に社会にも浸透しつつある。蓄電池の技術競争が熾烈を極める中、次世代電池の一つとして高い期待が寄せられているのが、全固体電池だ。村田製作所やトヨタ自動車などが注目されるが、ある企業がイノベーションを発表した。ソフトバンクだ。ソフトバンクによる蓄電池の革新について、ゆーだいこと前田雄大が解説する。
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蓄電池に関して、国際的に大型投資や生産能力、そして技術競争が熾烈を極める中、次世代電池の一つとして高い期待が寄せられているのが、全固体電池である。村田製作所の製品が注目を集め、トヨタが数多くの特許を持つなど日本勢もこの技術競争ではいい位置どりをしているのだが、その中で、個人的に密かに注目をしていた企業が11月2日、あるイノベーションを起こしたと発表した。
その企業とはソフトバンクだ。そう、ソフトバンクも蓄電池に力を入れていのだ。以前、ソフトバンクが蓄電池に力をいれるべく設立をしたソフトバンク次世代電池Labとそのコンセプトをお伝えしたことがある。なぜなら、ソフトバンクは脱炭素の重要性もわかりつつ、デジタルの文脈も見ている。ドローンの活用なども視野にいれて、とにかく電池が大事だ、そしてエネルギー密度を重視するという動きを見せていたからだ。
それに整合する形で、ソフトバンクは全固体電池に関して、3つのイノベーションを起こしたと発表した。そこで今回は、イノベーションの1つである「高質量エネルギー密度に向けた全固体電池用正極材料の開発」について紹介した上で、次の2つの論点を解説したい。
まずは、今回のイノベーションの1つである高質量エネルギー密度に向けた全固体電池用正極材料の開発について紹介していきたい。
リチウムイオン電池の課題を解決しつつ、さらに・・・次ページ
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