三井不動産は、11月24日、2030年度までの脱炭素に関するグループ行動計画を発表した。日経新聞の報道によると、計画への投資額は1,000億円超。同社は2020年12月に温室効果ガス排出量(GHG)の中長期目標を設定しているが、省エネ施策や再生可能エネルギー(再エネ)などの導入施設やメガソーラー事業規模を拡大する計画だ。
2030年度に向けた取り組みは、①国内全ての新築物件でエネルギー消費量を限りなくゼロに近づけたビル(ZEB)や住宅(ZEH)を実現、②再エネ活用、電力グリーン化を国内全施設へ拡大、③最大30ヶ所の太陽光発電施設を設けて発電量を約5倍の3.8億kWh/年の発電量に拡大、④サプライチェーン全体での脱炭素に向けたパートナーシップを強化、などだ。建設会社や部資材メーカーを巻き込んだサプライチェーン全体でのCO2削減を推進するため、建設会社などにCO2の削減計画書の提出を義務づける。
さらに、計画実行に向けて「サステナビリティ推進部」を新設し、CO2排出量に応じ課金するインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格制度)を2022年度に導入する予定だ。環境負荷を定量的に可視化し、CO2排出量削減の進捗を管理することでグループ全体の意識を高める。
計画では2030年度の温暖化ガス排出量は2019年度比40%削減を目指す。同社によると、削減効果は約175万トンと試算し、一般家庭の年間CO2排出量で約100万世帯分にあたるという。
2050年度を見据え、洋上風力や地熱などの創エネ事業、東京大学などのアカデミアや建設会社との研究開発、ベンチャー企業への出資や、実証実験の場の提供など、新技術創造に向けたオープンイノベーションを推進する。
同社の施設だけでなく、エリア全体の脱炭素を進めるまちづくりの実現も目指し、社会全体での脱炭素化を目指す。
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