さて、Project Gigatonの5つの柱のうち、エネルギーに関するトピックを紹介する。PPAによる再生可能エネルギーの調達「Gigaton PPA」だ。
Gigaton PPAは、1社では再生可能エネルギーの購買力が弱い小さなサプライヤーを集め、需要の規模を大きくすることで購買力を高める取組みだ。ウォルマートにとっては再生可能エネルギーの調達が増え、サプライヤーにとってはPPA契約の締結に伴うさまざまな障壁やコストを軽減するメリットがある。
具体的には、複数のサプライヤーの電力需要を調達しやすいようにグルーピングし、それぞれをアグリゲートする。集約されたそれぞれの電力需要グループごとに電力調達を行う仕組みだ。なお、Gigaton PPAは現在、米国のみで展開している。
Gigaton PPAに参加するには、前述のポータルサイトSustainability Hubにログインし、意思表示を行い、必要な電力量などを入力する。その後、Gigaton PPAチームから詳細の連絡があるという仕組みだ。
すでにサプライヤーの10社が、100MWの風力発電プロジェクトとのPPAにおいて10MWの再生可能エネルギーを調達したという。
なお、Gigaton PPAを支えるパートナー企業は、エネルギー管理のデジタル化などを提供しているシュナイダーエレクトリックだ。同社は2014年からウォルマートの再生可能エネルギー調達を支援しており、これまでに太陽光と風力による8GWのPPAをウォルマートにもたらした。
ウォルマートはシュナイダーエレクトリックが運営する、再エネのユーザー企業と再エネを含めたエネルギーサービス事業者のコミュニティである「NEO Network」に参加しており、Gigaton PPAにおいてもこのネットワークを活用している。
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