蓄電池に利用される、リチウムやコバルトなどの希少な金属資源が制約になると言われている。資源の確保やリサイクルが問題になっている。この記事では、EVバッテリーの構造とその材料・資源について紹介する。
蓄電池は急速に進化しており、クリーンエネルギーシステムの主要部品の中で最も予測不可能な部品といわれている。
国際エネルギー機関(IEA)は、技術開発の方向性は中期的に見ても非常に投機的なものであるとしている。新しい使用例によって材料の構成が変わり、その結果、材料の調達や廃棄の方法も変わってくるからだ。
自動車用蓄電池は、デバイスの重要な材料のほとんどを含む蓄電池セルが、プラスチックやスチール製のフレームに包まれているのが一般的だ。
かつては鉛蓄電池が主流で、現在でもほとんどの自動車のエンジン始動用の小型バッテリーに採用されている。しかし、世界銀行によると、エネルギー密度が高く、ここ数年で急速にコストが下がったリチウムイオン電池が電気自動車市場を席巻しており、少なくとも今後10年間は、蓄電容量で圧倒的に大きなシェアを占めることになるといわれている。
欧州最大の自動車協会、ADACによると、2019年時点でドイツ国内を走行している電気自動車の平均的な蓄電池の重さは約400kg、容量は約50kWhとなっている。
この重さのほとんどは、自動車のバッテリーを事故から守るために必要な補強された筐体によるものだ。そのため、アルミニウム、スチール、プラスチックが、蓄電池の重量の大部分を占めている。
しかしその一方で、平均的な蓄電池には、6kgのリチウム、10kgのマンガン、11kgのコバルト、32kgのニッケル、100kgの黒鉛が含まれており、これらはリサイクルするにあたって最も重要な原材料だ。
VOLKSWAGEN GROUP COMPONENTSより バッテリーの構成
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