次の図は、10のプランを実施した場合、どのようにロシアからの輸入を減らすことができるのかをしめしたものだ。
出典:IEAのグラフをもとに編集部再編集
今回のレポートについて、フランスの生態系移行担当大臣であるバーバラ・ポンピリ氏は「危機に瀕しているのは、気候変動との戦いを加速する必要性と、ヨーロッパのエネルギー安全保障の両方です。今回、IEAによって提案された10のプランは私たちの思考を豊かにするでしょう。フランス大統領がフランスの広範なレジリエンス計画を発表したので、IEAの提案を詳細に検討します。我々の政権は、私たちのエネルギーシステムの堅牢性を確保するため、一連の措置に取り組んでいます。これはIEAの提案を確実に反映するでしょう」と述べている。
また、欧州エネルギー委員会のカドリ・シムソン氏は、「近年、欧州はすでに供給を大幅に多様化し、LNGターミナルを構築しています。ロシアのウクライナへの攻撃が、エネルギー供給の分水嶺の瞬間です。来週、欧州委員会は、ヨーロッパがロシアからのガスからできるだけ早く独立するための道筋を提案する予定です。IEAの分析は、その目標に向けて具体的なステップの概要を示しています。私たちにとって、タイムリーで貴重な貢献となっています」と述べている。
IEAのレポートで示された提案では、EUのロシア産天然ガス依存度をゼロにすることはできない。天然ガスの脱ロシアはそれほど容易ではないということだ。それでも、2050年にはカーボンゼロとなり、天然ガスの需要がほとんどなくなることを考えると、EUにとってはグリーン化のスピードを加速させることが、1つの答えとなるだろう。
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