旭化成は5月25日、中期経営計画「Cs+ for Tomorrow 2021」の進捗を発表した。この計画は2019年に策定されたが、カーボンニュートラルを目指した脱炭素の具体的な動きが加速し、新型コロナウイルスの影響もあり、見直しが図られた。特にニューノーマル(コロナ関連)とカーボンニュートラル、サステナブルな世界の実現が考え方に反映された。
環境系のマテリアル領域においては脱炭素に貢献する技術、ソリューションへの急速な高まりを認識し、環境貢献技術、具体的にはCO2分離・回収システム等の価値提供を目指すとしている。
また、モビリティ領域にも重点を置き、EVへの世界的な流れを素材による価値提供のチャンスと捉えるという。具体的には環境配慮型の人工皮革「ラムース」を、サステナブルな価値提供ができるとして自動車内装に提案していく。自動車内装に関しては2018年に米国Sage Automotive Interiors社というシートファブリック市場でシェアNo.1の会社を子会社化しており、環境価値とデザイン性を武器にグローバルサプライヤーNo.1の地位を固める。
ほかにも自動車の部品成型素材である樹脂「ザイロン」でも軽量、高精度な特長をいかしていく。ザイロンはバッテリーのセル間に使用する絶縁部品としても使われている。
同じく樹脂材である「テナック」は強靭性と摩擦・摩耗特性を持ち、エンジニアリングプラスチックとしてモーターギアなどの素材として重点を置く。
ほかにカーボンニュートラル関連のテーマ群としては、グリーン水素製造、ZEH住宅製品、イオン交換膜なども挙げられた。
今年4月にはグリーンソリューションプロジェクトも新しく立ち上げられ、カーボンニュートラル関連市場全体を俯瞰して事業の創出を目指すとしている。
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