まず、盛沢山なのが10月だ。エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、長期戦略と脱炭素に大きく関係する3つの政策文書の閣議決定が10月中に予定されている。
11月1日~12日には気候変動について国際社会が協議するCOP26が予定をされている。去年のCOPがコロナで延期されたこともあり、各国の脱炭素アピールはここに集中することになるだろう。
その前にもちろん、衆議院選挙がある。この結果ばかりはなんとも分からないが、自民党・公明党の連立与党がここを乗り切ったときには、すぐにこのCOPがある。COPには通常大統領級はいかないのだが、今年はイギリスでの開催だ。しかも去年開催されなかったという中でのCOPであるため、元首級が集まる可能性もまったくゼロではない。
ちなみに、パリ協定が採択されたときのCOPには、オバマ大統領はじめ元首級が集まり、安倍総理も出席している。
ただ、それはパリ協定という歴史的合意があるから、というのがあったためであり、今回は何か歴史的な合意があるわけではない。ただし、バイデン大統領が選挙に勝った時に、イギリスのジョンソン首相が、COP26への招待を伝えており、可能性はゼロではない。
バイデン大統領が出席するのなら、岸田氏もCOPに出るだろう。そこでは何かしら、脱炭素土産をもっていかないといけない流れになる。
また、COPにいけば、そこで、岸田氏は変わるはずだ。
「岸田内閣、脱炭素とは何かを知る」
といったところだろうか。
COPの前には、G20サミットが10月30日〜31日の日程で開催される。
ここでも気候変動・エネルギーは大きなテーマになるのも見えている。米中が両方入る枠組みで、後日、解説するが、中国はアメリカに外交的には脱炭素で譲歩をさせられているので、ここは日本の、いや岸田氏の予想を上回る議論が行われることが予想される。
その流れで、日米首脳会談も行われるだろうから、実現したら、脱炭素文脈での協力、中国包囲網形成、この辺りもアメリカから突きつけられるだろう。
これが当座のスケジュールになる。否が応でも、10月、11月と脱炭素に向き合わないといけないスケジュールが待っており、そこでどこまで認識が変わり、発言に現れるのか。
岸田次期"総理"。筆者自身、外務省時代にお仕えもし、何せ高校も同窓などのご縁もあり、また仕事でも密接に携わったことのある方だ。堅実で、落ち着いて物事を考えられるタイプの方であり、そして、しっかり周りの言うことを聞くタイプの方でもある。この点に関しては、今日のスピーチでも述べられていた。
だからこそ、発言は攻めずに慎重を期す。これまでの発言との整合性もかなり重視されることを考えれば、認識が新たになっても、すぐに大きな発言の変更になるとは思えないが、ただ、政策面には現れてくるのではないか。しっかり説明を聞き、ロジカルに考える方だからこそ、そして、政策をしっかり理解され、全体像も見えるからこそ、脱炭素については、必ず、どこかのタイミングで気付かれ、そして、国際的な潮流と国内の特に利権周りのところとのギャップについても気付かれるタイミングが来ると思っている。
そこも含めて、個人的には期待したい。
今回はこの一言でまとめたいと思う。
『菅政権が残した脱炭素の置き土産 岸田次期政権もいずれその重要性に気づくだろう』
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