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脱炭素社会に向けイギリス、温室効果ガス排出量を2035年までに78%削減 新たに発表

脱炭素社会に向けイギリス、温室効果ガス排出量を2035年までに78%削減 新たに発表

EnergyShift編集部
2021年04月21日

イギリスが、温室効果ガス削減を大幅に引き上げた。従来の1990年比で68%から78%へ引き上げる。現地時間4月20日の政府発表で明言した。

同目標が盛り込まれた法律は現地時間の明日4月21日(水)に議会に提出され、可決される見通し。従来の1990年比68%も非常に野心的なもの(G20の中で最も厳しい)だったが、今回の発表はそれを10%も上回る。

イギリスはもともと、1990年比で2030年に53%の削減目標を掲げており、2016年にそれを57%に引き上げた(同年41%の削減実績)。しかし、昨年(2020年)に2030年目標を68%に引き上げたばかり。それから半年を待たずにさらに10%積み上げた形だ。

イギリスでは独立した組織であるCCC(気候変動委員会)が政府に削減量を提言する仕組みになっており、今回の削減目標はCCCの提言にそったものになる。

ボリス・ジョンソン英首相は声明で以下のように述べている。

「私たちは、気候変動対策の水準を引き続き高めていきたいと考えており、そのために世界で最も野心的な排出量削減目標を設定しています。ネット・ゼロ・エミッションに向けて前進する英国は、先駆的なビジネス、新技術、グリーン・イノベーションの本拠地となり、何千もの雇用を創出する方法で、数十年に及ぶ経済成長の基盤を築くことになります。重要な気候サミットであるCOP26に向けて、世界のリーダーたちが私たちに倣い、私たちの野心と同じように行動することを望んでいます」。

COP26議長に指名されたアロク・シャルマ氏もリリースで次のようにコメントした。

「英国にとって非常に前向きなこの一歩は、パリ協定に沿った野心的な行動の金字塔です。今年末にグラスゴーで開催されるCOP26に向けて、他の国々にも歩調を合わせるよう促しています。温暖化の度合いを1.5度に抑えなければならず、この10年間が最も重要な時期です。長期的な目標は、信頼できる実行計画に裏打ちされていなければなりません。ネットゼロに焦点を当てた第6次カーボンバジェットの設定は、気候変動法という世界をリードする法的枠組みの上に成り立っています。気候危機に対処し、将来世代の生命、生活、自然を守るためには、他の国々も英国の例に倣ってほしい」と述べている。

イギリスはCOP26の開催国としてより野心的な目標を掲げることになる。ボリス・ジョンソン英首相は4月22日のアースデイに開催される気候変動サミットのオープニングセッションで演説する。この削減内容についても盛り込まれる予定。

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