先に挙げたアプローチの4番目にくるのが「グリーンとクリーン」だ。
「グローバル・ゲートウェイは、持続可能な開発と復興を加速させ、包括的な成長と雇用を創出し、よりクリーンで循環的な世界経済に移行するための、気候変動に左右されない戦略だ。この戦略では、クリーンで気候変動に強く、ネット・ゼロ・エミッションに向けた道筋に沿ったインフラの開発に投資する。プロジェクトは、欧州グリーンディールの誓いである「害することのない(do no harm)」を実践し、環境影響評価と戦略的環境評価を確実に実施します」とある。
「害することのない」の意味は、今議論がおこなわれているEUタクソノミーへの隠喩的な示唆だ。ここではEUタクソノミーを、グローバルゲートウェイを通じて域外へ広げようという意図も見える。
文書ですでに明らかになっている気候・エネルギー関連の投資先として、サハラ以南のアフリカに24億ユーロ、北アフリカに10億8,000万ユーロを動員し、パワー・アフリカ等のイニシアチブと協力するという。また、グリーン水素分野の発展を支援し、アフリカ地域の地域エネルギー市場の発展と統合、そして強力なアフリカ大陸単一電力市場の実現に貢献する。
中国と、EU+アメリカで、世界のインフラ投資に対立軸が生まれている。日本も対岸の火事ではいられないことは確かだろう。その時に、EUやアメリカの求めているクリーン・グリーンな規制(EUタクソノミーやIFRSのサステナビリティ基準)に、また、炭素税に対して、日本がどのように対応するかは喫緊の問題となってくる。
ブリュッセル、12月1日 Copyright European Union, 2021
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