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英国、ガソリンが過去最高値を更新 日本でも7週連続値上がり

英国、ガソリンが過去最高値を更新 日本でも7週連続値上がり

2021年10月26日

英国で、ガソリン価格が過去最高値まで上昇した。英国の大手自動車サービス会社RAC(王立自動車クラブ)が集計した、10月24日時点の平均小売価格は、1リットルあたり1.4294ポンド(約224円)。これまでの最高値は、2012年4月16日の1.4248ポンドで、約9年半ぶりに更新したことになる。また、1年前と比較しても0.28ポンド(約25%)高く、家計や企業経済を圧迫している。

この深刻な価格上昇は、原油価格の高騰が、精製品であるガソリンの値段に波及した形だ。

原油価格の国際指標である、英国産北海ブレント先物相場(期近)は10月25日、一時1バレル86ドル台と、2018年10月以来の高値水準をつけた。2020年末と比べても7割近い高値となっており、その深刻さが伺える。

またRACは、原油の価格高騰に加えて、環境配慮型ガソリン「E10」の一般販売が開始されたことも、ガソリン価格を押し上げたとしている。E10はバイオエタノールを10%混ぜており、CO2排出量を抑えるのに効果的な一方、これまで標準販売されてきた最大5%の「E5」と比べて割高となっている。E10は、9月から英国の多くのガソリンスタンドで一般販売が開始されたばかりだった。

RACは消費者の負担を軽減すべく、日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)の一時的な引き下げを政府に求めている。市民の生活を守ることと環境配慮の両立に取り組む姿勢だ。

日本でも、10月18日時点で、レギュラーガソリンの平均小売価格が164.6円/L、軽油が同じく144.4円/Lとなり、どちらも7週連続で値上がりしていると、資源エネルギー庁が10月20日に発表した。日本のガソリン高騰については、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」が、10月4日、大幅増産を見送ったことが背景にある。加えて、コロナ禍から回復による需要増で、原油の需給はさらに逼迫している現状だ。世界的な原油不足の中で、国内外を問わず、ガソリン価格の高止まりが懸念される。

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EnergyShift編集部
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