国際航空運送協会(IATA)は4日に開いた年次総会で、世界の航空運送業界の温暖化ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする決議を承認した。
世界の航空業界の団体が50年の脱炭素化を目標に掲げるのは今回が初。
目標を達成するためには、2050年までに1.8ギガトンもの二酸化炭素を削減する必要があるという。
持続可能な航空燃料(SAF)を用いることで温暖化ガス削減量のうち65%を削減できる見通し。SAFは温暖化ガスの排出量を石油由来のジェット燃料と比べて約8割減らすことができ、世界で実証実験が進んでいる。
残りの温室効果ガス削減量については、水素燃料の活用や電動化、二酸化炭素の回収・貯蓄(CSS)といった新しい技術を活用し減らすという。
発表の中で、IATA事務局長のWillie Walsh氏は、「持続可能なグローバルコネクティビティーの実現は、航空会社だけで達成することはできません。航空業界全体が、エネルギー転換を含む、大規模な変化を実現するために、政府の支援政策の枠組みの中で協力しなければなりません」と述べている。
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