OVO Energyに買収された家庭向けの小売電気事業では再エネメニューはないが、B2Bに特化したSSE本体の方はグループ全体で再エネの推進を図っている。グループ会社のSSE Renewablesは、英国とアイルランドで約4GWの風力・水力発電を有し、2030年までに30TWhの再エネを発電できる環境整備を進めている。
2020年10月、SSE RenewablesはMHIヴェスタスとスコットランド沖合の洋上風力ウィンドファーム向けの風力発電タービンの供給契約を交わした。これは、洋上ウィンドファーム開発会社Seagreen Wind EnergyによるSeagreenプロジェクトの一環で、スコットランド最大規模の1,085MWだ。MHIヴェスタスは、2021年中にV164-10MWタービンを114基製造、設置する予定で、SSE Renewablesとは15年間の保守契約を結んでいる。
また、SSEN DistributionとSSEN Transmissionは、再エネの送配電に積極的に取り組む一方、SSE Business Energyは事業所向けの再エネ供給に取り組む。そしてSSE Enterpriseは分散型の再エネの開発やスマートシティ事業を展開する。
SSEはB2Cの事業を売却することで、選択と集中を進め、再エネのサプライヤーとして幅広く展開していこうとしている。
SSEは、2021年に英グラスゴーで予定されるCOP26のメインパートナーでもある。電力小売というステージでの立ち位置は変化したものの、再生可能エネルギー開発にはさらに拍車がかかっているようだ。
SSEの再エネ事業紹介ビデオ
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