COP26で、削減について言及されたのはCO2だけではない。バイデン米大統領は11月2日に、温暖化ガスの一種であるメタン(CH4)の排出削減に向けて、90ヶ国・地域が加わる、新たな国際的枠組み「グローバル・メタン・プレッジ」の正式な立ち上げを表明。2030年のメタン排出量を2020年比で30%減らすことを目標としている。
グローバル・メタン・プレッジは、米国と欧州連合(EU)が9月17日に「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)」で発足を表明し、これまでに日本を含む90超の国・地域が参加の意向を示していた。今回のCOP26でその立ち上げを正式に表明した形だ。メタンは天然ガスの生産過程や畜産業から発生する。また、温暖化ガスではCO2に次ぐ排出量で、人の活動によって発生する温暖化ガスの16%を占める。総量や大気中の残留時間ではCO2に及ばないものの、分子1つあたりの温室効果はCO2以上とされている。
日本は「農業分野や廃棄物分野において、これまで進めてきた技術を活かした技術協力や施設の導入支援などを実施する」考えであることを10月11日、外務省ホームページで公開している。
グローバル・メタン・プレッジの参加国・地域からの、メタンの総排出量は全世界の約半分に相当する。今回は、世界のメタン排出上位10ヶ国のうち、米国、ブラジル、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、インドの6ヶ国が参加し、残りの中国、ロシア、インド、イランは参加を見送った。
大気中の温室効果ガスを減らすには、排出量削減以外にも重要な取り組みがある。11月2日には、2030年までに森林破壊を止めて回復させるという共同声明を、世界100ヶ国以上の首脳が宣言。官民あわせて192億ドル(約2兆2千億円)を、森林保護や修復にあてるという。
宣言には、日本や米国、中国のほか、アマゾンの違法伐採が問題になっているブラジルや、インドネシアなども署名した。英政府によると、賛同した国の森林を合わせると、世界の約85%の森林をカバーするという。
しかしインドネシアでは、ジョコ・ウィドド大統領が宣言に署名した一方で、同国のシティ・ヌルバヤ・バカール環境相が「できないことについての約束」はできないと発言。インドネシアに対して2030年までに森林破壊をゼロにするように強いるのは不適切で不公平だと反対意見を述べており、国際的な圧力と内情のギャップが浮き彫りになっている。
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