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銚子電鉄、電力事業に参入 「電気代稼がなくちゃいけないんです!」

銚子電鉄、電力事業に参入 「電気代稼がなくちゃいけないんです!」

2021年10月01日

千葉県銚子市の銚子駅と外川(とかわ)駅を結ぶ銚子電気鉄道(銚子電鉄)が10月1日から、銚子電力と連携し、「銚子電鉄でんき」として電気販売事業に乗り出した。鉄道事業の赤字をなんとか補てんしようと、「電車を走らせ続けるために、電気、買ってください」と呼び掛けている。

銚子市に本社を置く銚子電鉄は、2023年7月に創業100年を迎える。近年はモータリゼーションの発展、沿線人口の減少に悩まされ、同社の2021年3月期決算は、5期連続の赤字。鉄道事業の営業収入は前期より2割減となった。「ぬれ煎餅」や「まずい棒」の食品販売などによる副業収入をもって鉄路を守っており、副業事業の売り上げは全体の8割を占める。今回の電気事業で更なる多角化を進める考えだ。

銚子電力は銚子市と民間企業が出資し、設立された地域新電力だ。2018年以降、銚子市にある風力発電所、銚子ウィンドファームで発電した電気を購入し、公共施設や一般家庭に販売している。銚子市が出資していることもあり、これまでも銚子電鉄支援のため、電気料金の一部が銚子電鉄に還元される「銚子電鉄プラン」を展開してきた。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道事業の経営悪化が続くことから、更なる支援を強化するため、銚子電鉄が電気を販売する仕組みを共同で作り上げた。銚子電鉄は一般家庭向けなどの営業を担当し、沖縄県と一部離島を除く全国からネットなどで加入申し込みを受けつける。

料金プランは、家庭向けや商店や飲食店などの小規模事業者向けは基本料金が0円。使用量に応じた従量料金のみで構成され、東京電力を利用した場合と比較して年間で約16,000円お得になるプランも提供する。

月の電気代が6,000円程度の加入者がいた場合、銚子電鉄は銚子~外川間を1往復できる電気代収入を確保できるという。約1万件の加入があれば1年間の電車運行電気代を確保できるといい、「電気買ってください!電気代稼がなくちゃいけないんです!」と呼び掛けている。

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EnergyShift編集部
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