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不動産で加速する脱炭素 東京建物、2050年温室効果ガス実質ゼロへ

不動産で加速する脱炭素 東京建物、2050年温室効果ガス実質ゼロへ

2021年06月07日

多くのオフィスビルや商業施設、分譲マンションなどを持つ総合不動産会社による脱炭素が加速している。総合不動産大手、東京建物は6月4日、2030年度までに原則すべての新築オフィスビル、物流施設、分譲マンションをゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化するとともに、2050年度温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す新たな目標をまとめた。

100社を超える日本企業が2050年脱炭素を目指すなか、多くのオフィスビルや商業施設、分譲マンションなどを持つ総合不動産にとって、施設内から排出されるCO2の削減が課題となっている。施設内で使用する電力を太陽光発電など再生可能エネルギーに転換できなければ、テナント企業の退出につながりかねないからだ。

東京建物はCO2排出量を2030年度までに2019年度比で40%削減し、2050年度までに実質ゼロを目指す、新たな目標をまとめた。

2030年度までに保有する不動産で使う電力の40%を再エネ化するとともに、原則、すべての新築オフィスビル、物流施設、分譲マンションにおいて、大幅な省エネと再エネ導入を組み合わせることで、消費するエネルギー収支を実質的にゼロに抑えるゼロ・エネルギー化を目指す。

そして2050年度までに取引先などサプライチェーン全体を含めたCO2排出量を実質ゼロにするという。

不動産にとって、再エネ転換は新たなテナント誘致策

総合不動産による脱炭素は加速している。

三菱地所は、東京丸の内エリアに所有する約30棟のオフィスビルを2022年度までに再エネ電力に切り替える方針だ。

また三井不動産では、2030年度までに首都圏に所有するオフィスビルや商業施設、ホテル、賃貸住宅など120施設すべてで使う電力を再エネ由来の電気に転換する予定だ。

首都圏に本社や支社を置く日本企業やグローバル企業は、脱炭素への取り組みに特に敏感だ。

それだけに総合不動産大手は自社施設の再エネ転換が遅れれば、テナント退出などの影響を受けかねない。逆に脱炭素を支援できれば、新たなテナント誘致や空室率の削減につながる。

総合不動産による再エネ転換は、今後ますます拡大するだろう。

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EnergyShift編集部
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