脱炭素を武器にEUが目論むEV覇権獲得 きっかけはハイブリッド排除 | EnergyShift

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脱炭素を武器にEUが目論むEV覇権獲得 きっかけはハイブリッド排除

脱炭素を武器にEUが目論むEV覇権獲得 きっかけはハイブリッド排除

2021年11月16日

2021年10月31日から11月12日にかけ英国グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)。この中で議論されるテーマのひとつとして、電気自動車(EV)の利用拡大が取り上げられ、EU諸国の参加者を中心にEV促進の声が広がり始めている。

EVのメーン市場は欧州と中国


欧州、中国、米国、日本などにおけるEVの販売台数。欧州と中国で全EV販売台数の8割を占める
出所:EVVOLUMES.COM

EVの販売データをまとめているEVVOLUMES.COMによると、欧州における2020年のEV(BEV+PHV)の販売台数は、対前年比257%の106万台。中国は同297%の114万9,000台だった。これらを総販売台数との比率でみると、EUの総販売台数は994万2,000台で、EV率は11%。

一方、中国の総販売台数は2,531万1,000台で、EV率は5%だった。これに対して米国は、総販売台数1,458万台に対しEVの販売台数が29万7,000台のためEV率が2%となっており、EVの販売台数ではEUや中国に及ばないものの、対前年比266%の大幅増だった。

この傾向は日本も同様で、総販売台数465万6,000台に対しEV販売台数が2万台のため、EV率は1%だったが、対前年比では142%となり、着実にEVの販売台数を伸ばしている。

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田中茂
田中茂

産業アナリスト。日常生活に欠かせないエネルギー使用のあり方について、制度・ビジネスの観点から調査・研究しています。

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