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自然破壊リスクの開示をめぐり、欧州でTNFDの動きが加速

自然破壊リスクの開示をめぐり、欧州でTNFDの動きが加速

2021年10月01日

気候変動により生物多様性が喪失されており、生態系のレジリエンスを維持するために対処しなくては社会も経済も持続可能ではないという理解が広がっている。欧州では自然や生物多様性を保全する動きが加速している。

国連のマーク・カーニー気候変動問題担当特使が提唱し、2015年に設立した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-Related Financial Disclosures)では、金融機関や企業に対し、気候変動(地球温暖化)に関連したリスクと機会を開示するよう要請しており、この情報は機関投資家などの間で重要な投資判断基準として定着しつつある。

そんな中、企業や金融機関が生物多様性保全のために具体的に何をするべきなのか、明確な指針が示されていないことが課題となった。こうした背景から、気候変動だけではなく生物多様性保全に関する、情報開示の標準化の必要性が指摘されるようになり、2021年6月に自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)が正式に発足した。今後、企業や金融機関は、事業活動における自然への依存度や自然に与える影響を評価し、開示することが求められるようになる。

欧州では、生物多様性保全のための投資やエンゲージメントに乗り出す企業が相次いでいる。

英HSBC、米ブラックロック、スイス再保険、ネスレ、シティなどは、自然破壊につながる活動から資本を回避させるため、リスク管理と情報開示の枠組み作りを目指す。 具体的には森林破壊や水不足などの発生により、どのような事業リスクを受けるのか、開示させる方針だ。一方、日本国内ではこの動きに対応できているところはごく少数に限られている。

ロイターによると、TNFDは9月30日、最大35社の上級幹部が新たな枠組みの草案を作成し、2022年初めの導入を目指すと表明した。TNFDの作業を支援する「TNFDフォーラム」に対しては、200組織が参加に関心を示している。TNFDは自主的な組織となる見通しで、TCFDの後に続くことを目指す。

国連の生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)がいよいよ今月、中国で開催される。機関投資家は企業による生物多様性への影響を現実の問題として取り組みを始めており、この流れはCOP15を契機にさらに加速することが期待される。

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EnergyShift編集部
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