1月25日に開催された経産省の電力・ガス基本政策小委員会では、「自由化によって多くの新電力が参入し、競争の結果、料金の低下やサービスの洗練などが進み、消費者メリットが大きいとされてきたが、700社以上が参入し、差別化が難しい中においてもなお新規参入が鈍化しない。予想外の事態が起きているのではないか」。「英国では破綻した小売電気事業者への対策のために多大な国費が投入されている。日本も決して他人事ではない。早急に手を打つべきではないか」といった意見が出された。
英国では電力などエネルギー価格が高騰した結果、2021年12月までに28社が破綻。電力ガス市場規制局(Ofgem)は「エネルギー価格の急騰という経済的なショックに耐えられなかった」とし、2022年から小売電気事業者が高騰などの危機に十分対応できる財務力を持っているかをチェックする「ストレステスト」を実施するなど参入基準の厳格化を進めている。
小委員会では複数の専門家から「日本においても、消費者保護の観点からストレスチェックをおこなうべきではないか」といった参入規制に向けた意見がではじめた。
再生可能エネルギーが大量に導入される2030年まで、LNGや原油などのエネルギー価格は下げ止まらないとの予測すらある。電気料金の高騰が長期化する懸念が現実味を帯びる中、新電力の淘汰はもはや避けられそうにない。その一方で、電力高騰をなんとか防ごうと、再エネ導入を急ぐ企業や家庭が増える見込みだ。
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