トヨタは自給自足できるEVを投入 トヨタv.s.ニッサン、懐かしのTN戦争再発 | EnergyShift

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トヨタは自給自足できるEVを投入 トヨタv.s.ニッサン、懐かしのTN戦争再発

トヨタは自給自足できるEVを投入 トヨタv.s.ニッサン、懐かしのTN戦争再発

2021年11月25日

トヨタ自動車は10月29日、今年4月に行われた上海モーターショーにてコンセプトカーとして発表済みだった、本格バッテリーEV(BEV)車である『bZ4X』の詳細を改めて発表。注目はバッテリーで71.4kWhと発表され、航続距離は(WLTCモード)2WDで500km前後、4WDで460km前後を確保した。先行しているはずのニッサン・アリアとの国内での販売合戦がEV市場を盛り上げることになりそうだ。

アリアを狙い撃ち 

日産自動車は6月に発表済みのSUVタイプのBEV『アリア』の納車に関して、先行発売グレードのB6 limited(66kWh 2WD)の納車時期を「今冬より」としているが、年内に間に合わないのではないかと心配の声もある。

本来のラインナップである、91kWhの大容量バッテリー搭載モデルや4輪駆動のe-4ORCEモデルの納車開始予定日は「2022年夏以降」とホームページに記されている。

憎いことにトヨタ「bZ4X」の71.4kWhのバッテリーはちょうどその中間に位置しており、そのうえ2輪駆動と4輪駆動の両モデルが用意されている。トヨタの発表では「bZ4Xは、2022年年央から、日本、北米、中国、欧州など各地域に導入する予定です」という表記になっており、日産「アリア」をすでに予約した人たちも含めたEV検討層を、まさに狙い撃ちした発表になっている。

日産の販売、生産、開発などからなるアリアチームはヒリヒリとしたムードを味わっているのではないだろうか。

TN戦争とは?

今回の日産とトヨタの商品によるスペック合戦、納期や販売価格の競争は、TN戦争と呼ばれた昭和のモータリゼーションを思い出す、ちょっと懐かしい感覚でもある。「攻める日産を追うトヨタ」、この構図でかつての日本車の性能とセールスは盛り上がりを見せていた。


現在、ミドルサイズのSUVが世界の激戦区。テスラはタイプYをすでに海外で発売済みで日本への導入は、2022年が予定されている。フォルクスワーゲンのID.4も同クラスでこちらの日本導入も2022年。日産アリアは2022年初頭から限定モデルを投入し、本格ラインナップは2022年夏以降、トヨタbZ4Xも2022年年央から世界各地に導入予定。トヨタbZ4Xはスバルと共同開発した経緯から、スバル「ソルテラ」という同性能異デザインのモデルも存在する。こちらのワールドプレミアは11月11日に施行された


bZシリーズ第一弾モデルであり、「RAV4」サイズのSUV。新採用のEV専用プラットフォームe-TNGAはトヨタとSUBARUで共同開発。トヨタはbZ4Xを皮切りにフルラインアップでBEVの展開を推進する。車内は自宅にいるような居心地。低位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により解放感を創出している。落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネルも特徴的


ルーフソーラーパネルを装着すれば、1年間で走行距離1,800km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、優れた航続可能距離に貢献。充電スタンドがない駐車場等でも充電可能なほか、災害時など緊急時でも、太陽光による充電が可能だ

異次元の運動性能 

いよいよ2022年から本格的に始まる“令和のZEVモータリゼーション”にはふたつの方向性があると思っている。

EVの普及はいうまでもなく地球温暖化対策が発端になっているが、個人向けのBEV(Battery Electric Vehicle)訴求では、HEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリット自動車)時代のようにエコエコ(エコロジー、エコノミー)言っているとアメリカや日本の市場では戦いのリングから降りなければならない。これは日産vsテスラの10年で実証された。

BEVにおける電力供給は再生可能エネルギーを利用することが前提なので、車重が2tを越えていてもOK、大きくてパワフルでカッコいいクルマを、プチ富裕層や物欲野郎たちに売るというステージが最初だ。この人たちは環境志向というよりも何事もトレンドを先取りしたいアーリーアダプターなので、先進性が重視される。もちろんエネルギー効率”電費”は性能のひとつだが、それはエコ目線よりも航続距離や価格というスペックで商品性に反映される。そして、高級車にふさわしいクールな内装や、賢い自動運転、IT性能、そしてこれまでにないクルマを操る魅力が付加価値である。

『bZ4X』にも『アリア』にも用意されている4WD仕様に注目しよう。電動車における4WD仕様は単なる雪国仕様と考えてはいけない。

トヨタ、日産はEV化の波に乗れるのか。キーは商用・・・次ページ

三浦和也
三浦和也

⽇本最⼤級のクルマ情報サイト「レスポンス」編集⼈、社⻑室⻑ アスキーにてWEBメディア編集を経て、1999年に⾃動⾞ニュースサイト「オートアスキー」(現レスポンス)を⽴ち上げ。2000年にはiモードでユーザー同⼠の実燃費を計測する「e燃費」を⽴ち上げる。IRIコマースアンドテクノロジー(現イード)に事業移管後は「レスポンス」の編集⻑と兼任でメディア事業本部⻑として、メディアプラットフォームの構築に尽⼒。2媒体から40媒体以上に増やす(現在は68媒体)。2015年にイードマザーズ上場。2017年からはレスポンス編集⼈、社⻑室⻑として次世代モビリティアクセラレーター「iid 5G Mobility」を開始。既存⾃動⾞産業へのコンサルティングと新規モビリティベンチャーへの投資や協業を両⾯で⾏い、CASE/MaaS時代のモビリティを加速させる⽴場。最後のマイカーはプリウスPHV。現在はカーシェアやレンタカーを利⽤するカーライフ。

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