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英SSE、日本で洋上風力参入 日本市場を新たなビジネスチャンスと捉え

英SSE、日本で洋上風力参入 日本市場を新たなビジネスチャンスと捉え

2021年11月02日

英ジョンソン首相が今年10月、岸田総理に対し、石炭火力発電の停止に向けたコミットメントを発表するよう要請するとともに、洋上風力を日本に本格導入するよう促している。これを受け、欧州企業が日本市場へ参入する動きが加速している。

英電力大手の「SSEリニューアブルズ」は、11月1日、日本の洋上風力発電開発プロジェクト推進に向けて日本の再生可能エネルギー事業者「パシフィコ・エナジー」と新会社の共同設立を完了したと発表した。

パシフィコ・エナジーは、洋上風力発電所の建設を目指して調査などを進めている。SSEが持つ洋上風力に関する技術や、パシフィコ・エナジーの国内での再エネ開発の知見を活用。最も開発が進んでいるプロジェクトにおいては、2020年代前半もしくは半ば頃に、入札ラウンドに参加することを目指しているという。

また、デンマークの洋上風力発電世界大手オーステッドは千葉県沖で東京電力ホールディングスと、秋田県沖では日本風力開発やユーラスエナジーホールディングスとそれぞれ提携する。

オーステッドはもともと国営の石油・天然ガス開発会社だったが、海でガス油田を掘り当てる技術を転用し、洋上風力に進出した。これまでにオランダの洋上風力発電プロジェクトでは、大西洋に生息するタラを守るための人工サンゴ礁の設置を行ない、英国では甲殻類の生息地のモニタリング、北大西洋セミクジラの保護・保全プログラムなどの取り組みを行ってきた。

GWEC(世界風力会議)では日本の洋上風力発電のポテンシャルは日本全体の電力消費量を大きく上回ると見積もる。今後、日本では洋上風力はこれからの日本の再エネの主流になると期待され、開発が本格化する見込みで海外勢の参入が相次ぐことが予想される。

日本政府は洋上風力を「再エネの主力電源化の切り札」と位置づけ、2040年に最大で4,500万kWまで増やす目標を掲げる。さらに10月20日、再生可能エネルギーの導入策を話し合う会合を開き、2030年までに1,000万kWの導入にめどを付けると盛り込んだ。

日本では漁業権との調整も不可欠で、解消すべき課題も多い。一方で遠浅の少ない特徴から、浮体式のポテンシャルも高い。今後の日本の巻き返しを期待したい。

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EnergyShift編集部
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