2020年10月の菅前首相の所信表明演説を皮切りに誰もが脱炭素のことを考える激動の年となった2021年も残りわずかだ。
そんな激動の年にEnergyShiftの記事のうち、最も読まれた記事をランキング形式で紹介する。
電気料金の値上げが止まらない。大手電力10社は2021年11月の一般家庭向け電気料金を値上げする。電気料金は過去5年でもっとも高い水準に達しており、家計を直撃している。火力発電の燃料であるLNG(液化天然ガス)や石炭などの輸入価格の高騰が背景にある。暖房需要が増える今冬に向けて輸入価格は一段と高騰する見込みで、電気料金の値上げは止まりそうにない。
将来的に石油や石炭など化石燃料の減少が避けられない中、今年に入り、構造転換に向けて焦りが見えていたENEOSホールディングス。ENEOSの様々な取り組みについて、これまでも解説してきたが、水素への注力だけでは、本格転換は難しく、ENEOSは厳しいのかと思われていた。そうした中、10月11日に再生可能エネルギー大手を2,000億円で買収すると正式に表明した。ENEOSによる買収の狙いとは何か。将来戦略について解説する。
家庭にエネルギーを供給している会社として身近な存在となると、電力会社、都市ガス会社に加えてLPガス会社があります。LPガスもまた、化石燃料である以上、カーボンニュートラルに向けた制約がかかってくることになります。では、LPガスは、どのようにしてカーボンニュートラルを目指していくのでしょうか。そこでは、都市ガスとは大きく業界構造が異なる故の、意外な方向性があるといえます。
世界第3位の資源量2,340万kWを持つ地熱大国、日本。だが、導入量は2021年3月時点で61万kWと、10年間で積み上げた量は9万kWにとどまる。一方、世界では出力変動が少ない地熱発電の導入が進み、この10年で4割増加した。地熱開発に乗り遅れた日本も2030年度までに地熱を148万kWと倍増させる目標を掲げ、巻き返しを狙っている。
自動車や造船、産業機器に建築、情報通信機器まで、あらゆる産業基盤を支える日本の鉄鋼業が脱炭素に揺れている。鉄鋼業界から排出される二酸化炭素(CO2)は日本全体の14%を占め、産業部門でもっとも多いためだ。一方、製造過程のCO2排出を実質ゼロとした「ゼロカーボンスチール」の世界市場は2050年には40兆円に達するという。日本製鉄やJFEホールディングス、神戸製鋼所の3社は脱炭素に向け、水素から鉄をつくる水素還元製鉄で世界展開を目指す。水素で伸びる企業はどこなのか。今回は鉄鋼分野の最新動向をまとめた。
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