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電気料金、2022年1月も大手全社で値上がり 止まらない電気料金の値上げの原因を分析

2021年12月14日

2022年2月も値上げは避けられない

一方、日本の電気料金の上昇は、世界的な原油高によるものだ。全日本平均原油輸入CIF価格(JCC:Japan crude cocktail)は、2021年10月に1バレル76.81ドルと4年振りの高値を記録。原油価格の動向によって、価格が左右される長期契約主体の日本も、電気料金の値上げが止まらない構図になっている。

JOGMECは「今回のスポットLNG高騰の直撃を受ける形とはなっていない」という。そのうえで、「ここ数ヶ月の日本の電力・ガス料金が上昇してきている理由について、一部報道ではここ数ヶ月のスポットLNG価格の高騰とするものがあるが、それが要因ではなく、1年以上にわたる原油価格の上昇影響を受けた、長期契約LNG価格の上昇が要因だ」と指摘する。

また、日本の電気料金は、燃料価格を料金に反映する「燃料費調整制度」に基づき、たとえば1〜3月の燃料価格はその年の7〜9月の電気料金に反映する仕組みとなっている。

つまり、2022年1月の電気料金の値上がりは過去の3ヶ月分(2021年8〜10月)の燃料価格が反映された結果であるわけだ。その原油価格は11月以降、1バレル80ドル台で推移しており、四半期の時期ズレを考慮すると、2022年2月も値上がりが避けられない状況だ。

しかも、この冬にかけて想定を超える寒波が到来すれば、電力会社はスポットでLNGを大量に調達しなければならなくなってしまう。そうなれば燃料価格=電気料金はさらに高騰するだろう。

LNGの在庫は11月28日時点で、約233万トンと過去4間でもっとも高い水準にあり、スポット調達量は軽微との見方もある。だが、少なくとも足もとの原油高は続いており、家計への負担が一段と増す厳しい冬になりそうだ。

 

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藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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