脱炭素の流れが加速し、日本企業も温室効果ガスの排出ゼロに向けて、産業構造の転換を迫られている。転換期において、現状、どの業種、企業がどれだけCO2を排出し、削減に向けた取り組みを進めているのだろうか。政府の公表データなどをもとに、「温室効果ガス排出量トップ50社」をランキングしてみた。
2021年3月16日、政府は、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、2017 年度の大口排出事業者の温室効果ガス排出量を公表した。報告した特定事業所排出者数は12,341、特定事業所15,194、特定輸送排出者1,319(うち運輸事業者530)。
間接排出では算定排出量の合計が6億8,919万トンCO2と発表した。これは日本の2017年度の温室効果ガス排出量の53%にあたる。2016年度は6億8,111万トン CO2だった。
特定事業所の算定排出量は、業種(大分類)別で見ると、主たる事業が「製造業」の特定事業所からの算定排出量が最も多く(4億7,923万トンCO2、84.9%)、報告した特定事業所からの排出量のうち約8割だった。次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」(3,541万トンCO2、6.3%)、「サービス業(他に分類されないもの」(1,718万トンCO2、3.0%)、「医療、福祉」(501 万トンCO2、0.9%)、「不動産、物品賃貸業」(451万トンCO2、0.8%)の順となっている。
製造業の内訳(中分類)を見ると、「鉄鋼業」(1億9,109万トンCO2、33.9%)、「化学工業」(7,749 万トンCO2、13.7%)、「窯業・土石製品製造業」(5,926万トンCO2、10.5%)、「石油製品・石炭製品製造業」(2,794 万トンCO2、5.0%)、「パルプ・紙・紙加工品製造業」(2,611 万トンCO2、4.6%)、「輸送用機械器具製造業」(1,801 万トンCO2、3.2%)の順となっている。
温室効果ガス排出量合計【特定事業所】
特定事業所排出者について業種(大分類)別で見ると、事業分類が「製造業」(6,346 件、51.4%) からの報告数が最も多く、報告した事業者数のうち約5割であった。次いで「卸売業、小売業」(1,501 件、12.2%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(1,174 件、9.5%)、「宿泊業、飲食サービス業」 (1,130 件、9.2%)、「教育、学習支援業」(1,049 件、8.5%)の順であった。
業種別の事業者数(件)
今回、報告のあった2017年度の温室効果ガス排出量の集計データを基に、「温室効果ガス排出量が多い」ランキングを作成。上位50社を発表する。
注目のランキング「1位〜50位」を一挙公開・・・次ページへ
エネルギーの最新記事