12月10日、国土交通省は航空分野の脱炭素化に向けた、具体的な施策の工程表をまとめた。目玉となったのは、環境負荷の少ない再生燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」を普及するための取り組みで、2030年までに国内航空会社が扱うジェット燃料のうち、全体使用量の10%をSAFに置き換える目標を盛り込んだ。SAFは植物や廃棄物などを原料とし、航空機を運航する際の二酸化炭素(CO2)排出量を、ジェット燃料比で約8割も削減可能だ。「空の脱炭素」の切り札とされている一方で、供給力の乏しさや価格が難点とされてきた経緯がある。
今回発表された工程表は①SAFの導入促進、②機材・装備品等への新技術導入、③管制の高度化による運航方式の改善、の3工程に分かれている。
いずれの工程についても、今年10月に行われた「航空機運航分野におけるCO2削減に関する検討会」の第3回目会合で洗い出された検討要素を、今回の第4回目会合で具体的に現した形だ。
国土交通省HP「航空機運航分野におけるCO2削減に関する検討会(第4回)」より
①についてだが、SAFの普及については
の5つの施策を軸に進めていくとしている。いずれにおいても官民の連携が必須であるとしており、国土交通省だけでなく国全体で検討を行うことが必須だろう。特に、国産開発製造に関しては、原料の制約の少ない合成燃料の開発で遅れを取らないようにすべきであると会合の記録でも記されている。
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