トヨタ自動車は2021年3月2日、開発を進めるWoven CityやBEV(バッテリー電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)、再生可能エネルギーなどに対する支出を社債発行により調達するため、「Woven Planet債(ウーブン・プラネット債)」を発行すると発表した。発行規模は、円建社債・外貨建社債あわせて最大5,000億円程度を予定しており、日本企業が発行するESG債としては最大規模になる見込み。
自動車業界が100年に一度の大変革の時代を迎えている中、トヨタ自動車はこの変革をチャンスと捉え、自動車をつくる会社からモビリティカンパニーへのモデルチェンジを進めている。トヨタ自動車はこの取り組みを通じて、より大きく進化した価値を社会に提供し、事業を通じてSDGsの達成に貢献したい考えだ。
これまでもトヨタ自動車は、社会課題である安全と環境の問題を解決する取り組みに加え、未来のモビリティ社会の構築に向けた取り組みも進めてきた。このような取り組みに必要な資金を調達し、SDGsの取り組みを加速させるためにも、今回、「Woven Planet債」を発行する予定だという。
「Woven Planet債」の発行形態は、個人投資家向け円建社債および外貨建社債及び機関投資家向け円建社債の2つ。
個人投資家向け社債の発行形態は、トヨタ自動車のSDGsに係る幅広い取り組みへの資金充当を目的とした社債*1となり、発行額は最大1,000億円。
一方、機関投資家向け社債は、サステナビリティボンドの発行形態*2となり、発行額は最大4,000億円を予定している。合計発行額は最大5,000億円になる見込み。
資金使途は個人投資家向け社債が、トヨタが未来のモビリティ社会の実現に向けて取り組むWoven Cityにおける街づくりや、各先端技術の実証実験など。
機関投資家向け社債は、主に次の3つに充当する。
「Woven Planet」は、「自分以外の誰かのために」というトヨタ自動車が創業から守り育ててきたトヨタフィロソフィーの精神と、「誰ひとり取り残さない」というSDGsの精神で未来に向けた歩みを一歩一歩進めていくという決意を表しているという。
トヨタ自動車は今後も、SDGs、国際社会が目指すより良い世界づくりに持続的に取り組んでいく方針だ。
トヨタプレスリリース:トヨタ、「Woven Planet債」の発行計画を発表
*1:国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリティボンド・ガイドライン」に適合するサステナビリティボンドとは異なる債券
*2 :ICMA制定の「サステナビリティボンド・ガイドライン」に適合し、環境および社会課題の解決に貢献するプロジェクトに資金使途を限定した債券
*3:重大死傷事故低減効果が見込める機能をパッケージ化したToyota Safety Sense等
*4:トヨタ独自の「Mobility Teammate Concept」の考え方のもと、高齢者や身体障がい者を含む全ての人が安全、スムース、自由に移動できる社会を目指して開発
ファイナンスの最新記事