石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は11月16日、原油の需給について、早ければ12月にも供給過剰になり、来年もその状態が続くとの見通しを示した。
原油価格は、世界的な需要の高まりにより高騰を続けており、ガソリン価格などが上昇。生活にも影響が出ていることから、日本や米国などは増産を求めていた。
だが、OPECとロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は、11月4日の閣僚級会合で、原油の協調減産縮小ペースの維持を決定し、日本や米国といった消費国からの原油増産要請を受けないものとした。
追加の増産を見送ることで、現在の高値水準を維持する狙いもあるとみられる。
事務局長は「原油の供給が12月からすでに始まる。われわれが非常に注意深くならなければならないシグナルが出ている」と述べた。
OPECは11月11日に発表した月報で、第4・四半期の石油需要の平均は日量9,949万バレルと予想。前月の予想から33万バレル下方修正した。今年の需要の伸び見通しは日量565万バレルとし、前月から16万バレル下方修正した。
米バイデン政権は、OPECプラスが原油の追加増産に踏み切らなければ、燃料価格を下げるための対策を発表する可能性があると警告している。
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