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価格上昇し続け、家庭を苦しめる原油高騰 その裏側を分析!

価格上昇し続け、家庭を苦しめる原油高騰 その裏側を分析!

2021年11月04日

エネルギー価格が高騰している。その背景には、新型コロナウイルスによる経済停滞、その後の経済回復、世界的な脱炭素の潮流や、各国のエネルギー外交の思惑など、様々な要因が既に論じられている。その中で気になるのが、ガソリンの価格高騰だ。もちろん灯油の価格も上がっている。背景にあるのが原油価格の高騰である。なぜ、原油価格の上昇が止まらないのか。ゆーだいこと、前田雄大が解説する。

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なぜ、原油価格は高騰しているのか

地方にお住まい方などは特に、ガソリンのレギュラーの価格が170円を超えて「え、ハイオクじゃなくて、レギュラー?」と思われている人も、多いのではないだろうか。原油価格上昇の影響でガソリン価格の上昇が続いており、その影響は国民生活に様々な影響をもたらしている。

今回は原油価格高騰の背景を説明したうえで、次の4つの論点を解説していきたい。

  1. 中東産油国のライバル「シェールオイル」と原油価格との関係 
  2. 中長期での原油生産を取り巻く「脱炭素」の潮流
  3. 産油国は脱炭素をどうやってチャンスにするのか
  4. 原油高が日本に及ぼす長期的な影響とは

それでは原油価格が高騰している背景から解説していこう。

いま、世界的にLNGの価格が高騰している。だが、そもそも、通常、原油価格は天然ガスよりも高いことが普通だ。

気体のガスに比べ、原油は液体で使いやすく用途も広いことに加え、輸送のためにマイナス160度に冷却して液体化する必要がある天然ガスと比べ、原油は輸送や貯蔵も比較的容易に行える。そのため、ニーズが高く、価格も比較的高くなる。要は使い勝手が原油はいいということだ。

他方で、CO2の排出量が比較的少なく、硫黄酸化物(SOx)の排出がゼロの天然ガスは、昨今、環境政策の進む欧州を中心に需要が高まっている。そこにコロナからの経済回復やロシアの供給抑制などが相まって、需給がひっ迫し価格が跳ね上がる格好となった。

実際、現在の天然ガスは1バレル160ドル相当と、原油(WTI)先物の約2倍近くの価格に急騰している。

これによって、これまで天然ガスより価値があると見られてきた原油が、一転「割安なエネルギー源」に一時的になった。

すると、どうなるか。途上国の多いアジアを中心に需要が増加する。実際、パキスタンやバングラデシュでは、天然ガスの調達に苦戦し、未稼働の火力発電所が多数存在していることから、今年9月より一部原油の輸入に切り替えている。

天然ガスの代替として需要が増大したことにより、今度は原油の価格が上昇を続ける格好となった。今年10月8日にはWTI先物価格は大台の80ドルを上回り、1バレル80.11ドルを記録した。

日本は原油をほぼ全量輸入しているので、日本を直撃。ガソリン価格がリッター170円を超える事態になっている。

こうして背景を見ると、この原油価格高騰、中東の産油国にとっては、一見、儲けが増える「おいしい話」に聞こえそうだ。しかし実際には、産油国は価格上昇を一概に喜べない背景がある。

そこで次に、中東産油国のライバル「シェールオイル」との関係を解説したい。

「シェールオイル」と原油価格の関係とは・・・次ページ

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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