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約2,500億円の補助金を投下! 日本が期待を寄せる水素還元製鉄と燃料アンモニアの現状と未来

2022年02月07日

社会実装を目指して、今後の技術開発に必要なことは? 

社会実装に向けては、技術を確立すると同時に、それを支えるための社会インフラの整備が欠かせない。アンモニアや水素を活用していくため、安定的に供給するサプライチェーンの構築、さらに排出されたCO2を回収し、再利用するCCUSの促進などだ。サプライチェーン全体でコストを負担するしくみをつくっていくことが必要となっている。

矢野経済研究所が2021年12月に発表したレポートによると、脱炭素社会を実現する国内エネルギー設備・システム市場全体では、2030年度には2兆3,430億円、2050年度には3兆9,850億円に拡大すると予測する。その中でも水素分野のエネルギー設備・システム市場は2050年度に合計1兆7,400億円に拡大する見通しであるという。また、水素やアンモニアを脱炭素化する共通基盤技術であるCCUS・カーボンリサイクル分野のエネルギー設備・システム市場も2050年度には4,800億円に拡大すると予測する(図6)。

図6:脱炭素社会を実現するための国内エネルギー設備・システム市場予測

(単位:億円)

分野2021年度(見込)2030年度(予測)2050年度(予測)
水素9608,20017,400
CO2フリーアンモニア204302,350
CCUS・カーボンリサイクル201,6004,800
再生可能エネルギー4,1004,7006,800
蓄電池2,1508,5008,500
合計7,25023,43039,850


出所:矢野経済研究所

2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標を実現するには、エネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要がある。革新的なエネルギー設備・システムの技術開発、社会実装を推進するため、官民一体となって課題を克服しプロジェクトを進めていくことが必要とされる。

ヘッダー写真:資源エネルギー庁ウェブサイト

 

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東條 英里
東條 英里

2021年8月よりEnergyShift編集部にジョイン。趣味はラジオを聴くこと、美食巡り。早起きは得意な方で朝の運動が日課。エネルギー業界について日々勉強中。

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