電気自動車(EV)の販売台数が好調だ。今年に入ってから前年同月比でプラスとなり、2月を除いた9月までの9ヶ月間で昨年1年間の販売台数を上回った。産経新聞が報じた。
EVの販売台数は2019年から2年連続で減少していたが、2021年に入り盛り返している。日本自動車販売協会連合会(自販連)の燃料別乗用車販売台数によると、EVの販売台数は今年1~9月の9ヶ月合計で前年同期比47.7%増の1万4,964台となり、2020年の年間販売台数1万4,604台を上回った。
また、外部電源でも充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の販売数も前年同期比77.5%増の1万6,442台で、2020年の年間販売台数1万4,741台を超えた。
EV、PHVの販売に追い風になったのは、購入時の補助金が引き上げられたことが背景にあるとみられている。環境省は、昨年12月21日以降に新車新規登録や新車新規検査届が行われた車を対象に、再生可能エネルギーで充電100%の場合、EVは最大80万円、PHVは最大40万円と従来の2倍に補助金を増額した。
補助金の増額に加え、CO2の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への意識の高まりから、走行時にCO2を排出しないEVや、排出が少ないPHVを選ぶ消費者が増えたとの見方もある。
一方、国内の新車販売は半導体不足などによる生産停滞、新車の納期遅れが目立っており、今年9月は前年同月と比べて32%超の大幅なマイナスとなった。
10月15日には、トヨタ自動車が半導体不足や中国での電力不足の影響を受け、11月の世界生産台数を15%減らすと発表するなど、2021年の自動車の生産台数は減少する見込みだ。
一方、矢野経済研究所は、2030年のEVなどのxEVの世界新車販売台数は5,026万台になると予測。これは世界の自動車新車販売台数の過半数を占めるという。PHEVやHVを含めた次世代自動車の普及は今後ますます進んでいくことが予想される。
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