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電力先物取引価格、30円まで高騰 深刻化するエネルギー危機

電力先物取引価格、30円まで高騰 深刻化するエネルギー危機

電力先物取引価格が高止まりしている。中国における電力不足が深刻化し、停電で工場が停止するなどの問題が頻発しているが、欧州でも深刻な電力供給不足と電力価格の高騰が発生しており、危機的状況となっている。

欧州エネルギー取引所(EEX)の来年1月分の清算価格(東京ベースロード商品)は10月6日取引終了時点で1kWh当たり30円を超えた。同日時点の清算価格は、来年1月物で30円04銭、2月物で29円04銭。わずか1ヶ月間で1.8倍に跳ね上がった。

ドイツでは電力卸売価格が50%上昇したと報じられている。フランス政府は9月中旬、580万世帯に100ユーロ(約1万3千円)を補助する計画を発表。イタリア政府も国民支援に45億ユーロ(約5,789億円)を拠出する考えだ。特に電力価格が高騰しているのがイギリスで、エネルギー企業が原価割れで電力・ガスを供給する事態となっており、9月末までに中小エネルギー企業10社が破綻している。イギリスでは電力先物価格が昨冬を上回ることが予想されている

急速な景気の回復に伴い、エネルギー需要が急増していることに加え、欧州が推進する「気候変動対策」により、再生可能エネルギーによる発電を推進してきたことも要因となっている。水力や風力、太陽光といった、再生可能エネルギーによる発電量は天候に左右されるため、安定性に欠ける。今年のヨーロッパは天候に恵まれず、再生可能エネルギーによる電力の供給の減少が電力価格の上昇をもたらしているという。また、化石燃料への投資撤退などの世界的な潮流も要因の一つと言えるだろう。

さらに、冬の本格到来を前にガスを貯蔵する動きが活発化し、ガス価格の高騰も止まらないことも影響している。ガス価格は今年、800%超急騰しており、これに伴い各国の電力価格は過去最高水準を記録している。ロイターの報道によると、ロシア国営天然ガス企業ガスプロムの輸出部門トップは10月7日、欧州の天然ガス価格高騰は域内経済の不安定化を招く恐れがあると指摘し、生産者と消費者の協力が市場の均衡確保につながる可能性があるとの見方を示した。

複合的な要因が絡み合う欧州における電力不足問題は、解決に時間がかかることが予想される。

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EnergyShift編集部
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