マイクロソフトがバリューチェーン全体の温室効果ガスを定量的に測定できるツールを発表した。Googleもクラウドの温室効果ガス量を知ることができるツールを提供開始している。これまでよりもより深く経営に脱炭素が組み込まれていくようになる。
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マイクロソフトは10月27日、「Microsoft Cloud for Sustainability」のプレビュー版を公開した。これは今年7月、テック系イベントで発表された同サービスが無料で試す事ができる。
このサービスは、AzureやOfficeなどの各マイクロソフト製品だけではなく、コネクタ(データーベース接続用のAPI群)を作成すればほかのサービス(たとえばSalesforce)とも連携し、温室効果ガス量を自動的に算出できるようになる。Salesforce側での製品の出荷状況、運輸距離・方法などが反映できる。
紹介ビデオでは、コーヒー農家の収穫作業から輸送、コーヒーショップの運営までの各工程をそれぞれスコープ1、2、3にわけて簡単に排出量計算をする様子が見られる。
マイクロソフトでは、産業ごとにクラウド用のBIツールを用意していたが、今回の製品はより横断的にバリューチェーン全体の温室効果ガスが計測できるようだ。
Microsoft Cloud for Sustainability ウェブサイト
温室効果ガスのスコープはWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)と、WRI(世界資源研究所)の策定したGHGプロトコルに準拠している。
データ接続による記録だけではなく、定量的なレポーティング、たとえば国向けの報告書、IR用の統合報告書、さらにはGRI、CDPなどの評価機関向けレポーティングが容易におこなえるとしている。
排出量の傾向を機械学習(AI)で判別し、改善点も提供され、排出量削減の指標としても役に立つ。
プレビュー版提供についてのブログでマイクロソフトのブラッド・スミス副会長は「ネットゼロのためには、炭素算出の標準化されたアプローチ、排出量の記録と報告、そして、ツールによる自動化が必要」だと強調している。今回の製品はその支援を目的として作られた。
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