日本のバイオマス発電に未来はあるのか 欧州、再エネと認めない方針 国内、燃料高騰で発電休止 | EnergyShift

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日本のバイオマス発電に未来はあるのか 欧州、再エネと認めない方針 国内、燃料高騰で発電休止

日本のバイオマス発電に未来はあるのか 欧州、再エネと認めない方針 国内、燃料高騰で発電休止

2021年11月05日

植物由来の燃料を使うバイオマス発電の普及は、むしろCO2排出の原因になるのではないか。バイオマス発電をめぐって、欧州を中心に再生可能エネルギーに認めない事例が出ている中、国内では2021年春から、燃料価格の高騰のあおりを受け、パーム油を燃料にしたバイオマス発電所すべてが稼働停止状態にある。燃料調達の持続可能性すら危ぶまれるバイオマス発電に対して、「カーボンニュートラル(炭素中立)」でないという疑念は増えつつある。日本のバイオマス発電に未来はあるのだろうか。

バイオマス発電はカーボンニュートラルではないのか

バイオマス発電は木くずや間伐材、可燃性ゴミ、廃棄油など、植物に由来する燃料を燃やしたり、ガス化して電力を生み出す。当然、燃料を燃やす段階でCO2を排出するが、燃やす植物がその成長過程において、光合成によりCO2を吸収していることから、CO2排出が相殺されるとして、再エネに位置づけられている。

しかし、バイオマス発電をめぐっては、確かに燃焼時に出るCO2は、光合成によるCO2吸収で相殺されるかもしれないが、それはあくまで燃焼時におけるCO2排出だけだ。また、燃やした木材と同じ量を植林しなければ、森林によるCO2吸収量は減少するばかりで、しかも、木材などの栽培や加工、輸送まで含めたCO2量を見たら、実際には「カーボンニュートラル(炭素中立)」ではなく、むしろバイオマス発電によってCO2排出量は増えているのではないか。

こうした疑念は国内外であがっていた。

欧州の環境NGOや研究者らは、バイオマス発電の促進が、重要な炭素ストックである森林や土壌を破壊するうえ、燃料生産のために伐採した森林が仮にもとの状態に回復したとしても、回復には数十年かかる。「これでは炭素中立とはいえない」とし、欧州委員会に対して、森林伐採を伴う間伐材や廃棄木材などを原料とするバイオマス発電は、すべて再エネの分類から除外すべきだと訴えてきた

こうした訴えを受け、欧州や米カルフォルニア州は、森林破壊を伴うバイオマス発電は再エネに認めない方針を提示。欧米の方針を受け、国内でもバイオマス発電のあり方に関する議論が起こりはじめている。

大ダメージを受けている日本のバイオマス発電・・・次ページ

藤村朋弘
藤村朋弘

2009年より太陽光発電の取材活動に携わり、 その後、日本の電力システム改革や再生可能エネルギー全般まで、取材活動をひろげている。

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