近年、自治体レベルの温室効果ガスの排出量削減政策が普及している。日本政府は「2050年脱炭素」に向けて「2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減する」と宣言。それに伴い、2050年に二酸化炭素(CO2)実質排出量ゼロに取り組むことを表明した自治体が増えつつある。現状、各都道府県はどれだけ温室効果ガスを排出しているのだろうか。政府が今年3月に公表した、「2017年度の温室効果ガス排出量」の集計結果などをもとに、温室効果ガス排出量が多い「都道府県」をランキングしてみた。
目次[非表示]
まずはじめに、ランキング結果に影響を与えるとされる要因を解説する。
日本の場合、温室効果ガスの中でCO2の比率が約91%と極めて高い。CO2の発生源は石油、石炭などの化石燃料の燃焼、廃棄物の焼却処分などが要因としてあげられる。また、電気・ガス・熱供給業部門はCO2排出量の地域間の差が顕著な部門である。
全国の2017年度のCO2排出量の部門別の内訳をみると、「産業門」が34.5%と最も高い割合を占めており、次いで、運輸部門が17.9%、業務部門が 17.5%なっている。また、産業部門からの排出は、9割以上を製造業からの排出が占めている(図1)。
図1
2017年度
「部門別CO2排出量の構成比(全国)」
産業部門の中では「製造業」の事業所(特定事業所)からの排出量が最も多く、製造業の主要業種のCO2排出量は、2017年度においては「鉄鋼業」が最も大きく、「化学工業」が続いている。
ランキングには、これら温室効果ガスの排出量が大きいと認識されている鉄鋼業や化学工業と関わりが深い都道府県が結果に顕著に表れている。それでは47都道府県のランキングを見ていこう。
CO2を最も排出しているのはどの県なのか? ランキングを一挙公開!・・・次ページへ
エネルギーの最新記事