これからの日本の再エネの主流になると期待されている洋上風力発電。政府の審議会でも主力電源化のカギを握ると明記されている。GWEC(世界風力会議)では日本の洋上風力発電のポテンシャルは日本全体の電力消費量を大きく上回ると見積もる。洋上風力の可能性と開発の現状を探る。
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10月7日・8日に世界風力会議(GWEC)の「世界洋上風力サミット 日本」に登壇したGWECのAlastair Dutton氏の発言が話題になっている。オンライン講演を紹介している日経クロステックの記事によると、日本は1,897GW(着床式122GW、浮体式1,775GW)の洋上風力発電のポテンシャルがあり、日本の現在の年間電力消費量のなんと7.5〜8倍になるというのだ。
これは、GWECのウェブサイトで公開されている日本の洋上風力ポテンシャルの資料と同じ数字になる。つまり、洋上風力発電だけで日本の電力消費がまかなえるというのだ。
Offshore Wind Technical Potential in Japan :GWEC
もちろん、これはあくまで理論上の可能値であり、そのまま鵜呑みにできる数字ではない。一方で、洋上風力発電は陸上風力発電に比べても有望視されていることは世界の潮流でもある。特に陸地面積が狭く、まわりを海で囲まれている日本ではなおさらだ。日本のグリーン成長戦略でも洋上風力発電への期待は謳われている。
日経クロステックでも紹介されているが、環境省では2019年に日本の洋上風力発電がどれくらい導入可能かの調査を委託し、報告書にまとめている。
それによると、日本の洋上風力の導入ポテンシャルは、着床式が337.34GW、浮体式は782.88GW、合計1,120.22GW。年間発電量は浮体式・着床式あわせて3,460.7TWh。日本の国内電力消費量は2020年で905TWh、平均およそ1,000TWhなので、なんと日本3つ分がまかなえる。
この3460.7TWhのポテンシャルは、陸地から30km以上であったり、風速6.5m/s未満、水深200m以上、海域公園では開発できないという条件での算出になっている。
一方、環境省試算ではこの条件から「陸地から30km」の条件を外した数字も出している。それによると、年間発電量は1万1,272.2TWh。日本の年間発電量を10掛け合わせてもおつりが来る。
環境省のデータ、GWECのデータ、ともにみても、日本の洋上風力発電には非常な「ポテンシャル」があるとは十分に言えるだろう。では、実際の開発はどうなっているのか。
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