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1943年創業の英老舗電力会社SSEは、新電力OVO Energyに買収されて変わったか

1943年創業の英老舗電力会社SSEは、新電力OVO Energyに買収されて変わったか

2021/02/15

シリーズ "イケてる"英国の電力会社 その6

ちょうど今から1年前、英国で80年近い歴史を誇る老舗電力会社SSEの家庭向け小売部門が、新電力のOVO Energyに買収された。とはいえ、ブランドとしてはSSE Energy Servicesとして、再エネ100%のOVO Energyと差別化をはかっている。業界に激震が走ったこのニュースから1年、SSEはどう変わったのか?イケてる電力会社になったのか? 国内、世界でのプレゼンスをどう維持し、高めていくのかについて注目したい。

「ビッグ6」数少ない英国資本の1社が新電力に買収された

70年以上にわたり英国の電力を支えてきた、1943年創業のSSE (旧Scottish and Southern Energy)。スコットランド・パースに本社を置くSSEのルーツは、North of Scotland Hydro-Electric Board(北部スコットランド水力発電公社)とイングランド南部で配電事業を行っていたSouthern Electricity Boardの2つの公営公社だ。電力自由化前から存在する大手電力会社「ビッグ6」のうち、英国資本は2社。1社は先日紹介したCentrica(British Gas)で、もう1社がこのSSEだ。

長い歴史をもつSSEにとって、2020年は大きな転換点となった。というのも、新電力OVO Energyへの、家庭向け小売事業SSE Energy Servicesの売却が完了したからだ。これにより、OVO Energyは500万軒の顧客を新たに獲得し、シェア2位に急浮上。SSE Energy Servicesの8,000人の従業員もOVO Energyに異動した(詳細は『OVO Energy 大手電力を買収し、英シェア2位に。名実ともに新時代の幕開け』をご参照いただきたい)。


OVO Eneregy創業者のStephen Fitzpatrick氏

とはいえ、最古参の電力会社のブランド力はそう簡単に落ちるものではない。ビートルズやクィーンのライブが行われた、ウェンブリー・アリーナをご存知だろうか。SSEは、このウェンブリー・アリーナのネーミングライツを有している。ロックの聖地は今、「SSEアリーナ・ウェンブリー」として親しまれている。また、スコットランド最大のエンターテインメント会場SSE Hydroのスポンサーでもある。

そして、OVO Groupの一員となった、元SSEの家庭向け小売事業は、SSE Energy Servicesとして、SSEのブランド力を活用した事業展開を行っている、ということだ。それは、OVO Energyとどのように差別化されているのだろうか。

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山下幸恵
山下幸恵

大手電力グループにて大型変圧器・住宅電化機器の販売を経て、新電力でデマンドレスポンスやエネルギーソリューションに従事。自治体および大手商社と協力し、地域新電力の立ち上げを経験。 2019年より独立してoffice SOTOを設立。エネルギーに関する国内外のトピックスについて複数のメディアで執筆するほか、自治体に向けた電力調達のソリューションや企業のテクニカル・デューデリジェンス調査等を実施。また、気候変動や地球温暖化、省エネについてのセミナーも行っている。 office SOTO 代表 https://www.facebook.com/Office-SOTO-589944674824780