元ドコモコンテンツ担当部長のサブスクはサステナブルのはじまり 第1回 | EnergyShift

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元ドコモコンテンツ担当部長のサブスクはサステナブルのはじまり 第1回

元ドコモコンテンツ担当部長のサブスクはサステナブルのはじまり 第1回

2021/09/09

もはやサブスクリプション、いわゆるサブスクというビジネスモデルを知らない人はさすがにいないでしょう。猫も杓子とは言いませんが、自分の会社のサービス料金体系をサブスクにしちゃえばいいんじゃないの?と、とりあえず考えたことのあるビジネスマンは、ぜひここで手を上げて見てください。はい、皆さん、目をつぶって。オー結構いますねと言いたいところですが、いまこれを読まれているあなたもその一人または候補として連載を始めさせていだきます。

当連載著者の山口氏は、元ドコモであの夏野さんのあと、コンテンツ担当部長として、ドコモのサブスクリプションビジネスを拡大してきた立役者さんなのです。そう考えると、日本においてサブスクってじつはちっとも新しくない。

そうです。すべてはドコモのiモード情報料収入、定額制から始まったのでした。

そして、見た方をちょっと変えて、消費するけど消費しないサブスクリプションは、様々なサステナブルにつながっていく、まさに脱炭素やグリーンエネルギーにもつながる魔法のビジネスモデルなのです。

とはいえまずはサブスク知らない人向け

エナジーシフトファンの皆様、こんにちは。山口善輝です。遠い昔、新卒でリクルートに就職しその後、1999年にドコモに転職し、テレビでもよくご出演されてるあの夏野剛さんや、iモード立ち上げ責任者だった榎啓一さん達と共に約10年に渡りドコモのコンテンツの責任者をやってました。

ドコモ時代は、「世間で流行っているものは携帯電話でも流行る」を座右の銘に、様々なコンテンツ開拓をしてきました。今でもその経験と、当時からのお付き合いは私の財産でもあります。そんなドコモをささえてきた、ビジネスモデル。その根本こそ、いま今流行りのサブスク(サブスクリプション)でした。

ご存知の通り、何かを買うのではなく、サービスや物を使う権利を行使する代わりに、その対価として一定の定額払いが発生するという取引モデルです。

最近では、映画、音楽をはじめとして車や衣服までサブスクができる時代になってきた、思えばすごい時代になったなぁ!と思う。

そのうち、彼女や、彼氏、旦那や奥さんのサブスクもできたりするのだろうか??笑

思い起こせば、このサブスクモデル、私が昔展開していた、ドコモのiモードのコンテンツもこのサブスクモデルで大いに脚光を浴びていたのを思い出すのです。

imode、始まる


出典:写真はデジタル・ムーバ「N501i HYPER」
NECホームページ/NECのあゆみより

今を去ること、22年前、1999年2月22日に広末涼子さん(当時ティーンエイジャーの象徴でしたからね)のCMと共に、ドコモのiモードはサービススタートとなりました。

当時としては、携帯電話で、インターネットを利用することができる画期的なサービスとなり、スタート時から爆発的に売れたかと思いきや、スタート当時は、あまり芳しくない売れ行きだったのです。(当時、リクルートからドコモに転職したての私は、正直、えっ思ったより売れていないしこれは少しヤバイかな、転職失敗か?と思っていたりもしました(笑))。

思えばサービススタート当初の端末はF501i(富士通製)の1機種のみというミニマムスタート。

これは、ミニマムスタートというより、富士通さんだけしか、iモードのサービスローンチに間に合わなかったという事だったのです。つまり他のメーカーさんは、かなり開発が遅れていたということですので、我々としては、富士通さん、よくぞ間に合わせてくれたという感じだったわけです(笑)。

その後、遅れて同年3月末に発売されたN501i(NEC製)、D501i(三菱電機製)そして5月末にP501i(パナソニック製)が発売されます。洗練されたデザインや性能で、すでに携帯では業界的に一般的にもメジャーだったメーカーであるNECとパナソニックの2大ブランドが出揃ったことで、関西圏を中心にiモード端末はみるみると一気に売れていったのでした(当時は端末は国内メーカーしか生産販売されていない時期でした。もちろんアップルなんてケータイ端末を作っていない時代ですから)。

と言っても当時は、端末の性能で言えば、できる事が今のスマホと比べると全く稚拙なものであったわけですが、でも、その設計姿勢やサービス体制は画期的であったと思うのです。

ただ、当時iモードの機種が選ばれて爆発的に売れたのは、インターネットが出来たり、コンテンツを楽しんだりと言うよりも、当時メールを1通送るのに10円もかかっていたものが、iモードの機種はパケット通信(iモード機種以外の端末はパケット通信機能が無かった)となり、ユーザーはパソコンのように廉価でメールが送れるようになったのが大きな勝因だったのです。

ある意味、ここから、値段固定(メールでも10円で封筒と切手を買うようなものだった)から、パケットでの従量や変動の幅ができて、そのさきのサブスクリプションへの下準備というか片鱗が垣間見えてきたとも言えます。

勝手サイト・覚えていますか?

iモード初期のコンテンツと言えば、ドコモが提供する公式サイトとそれ以外の一般サイト(勝手サイトとも呼ばれていた)に別れていたのをご存知または覚えてらっしゃいますか? 

一般サイトにどのようなコンテンツがあるかは、端末とiモードを提供しているドコモとしても知るよしも無いわけなのですが、そこで大成功している企業が多数存在しており、大変活性化し様々なビジネスが成功していることは認識していました。

なぜなら肌感覚で、たとえば、書店に行けば、そういった一般サイトに関わる本がたくさん出版されていたり、ネット上に紹介ページができたり、やはり我々の耳にも、そういう形で聞こえてくる訳です。その際たるやどうやら一般サイトにアダルトサイトがこぞって出現し、大きなマーケットの状況になっていたことは、そのジャンルではビジネスしずらいドコモとしては苦笑いでした。

当時の端末の小さな画面(2インチから2.5インチ程度)で見るアダルトコンテンツなので本当に楽しめるのかよ?と今も思うのですが、パケットの通信量データを見ていくと夜間にアダルトコンテンツを見ているユーザーが多いという事が明白にわかっていました。

ドコモの公式サイトのコンテンツは、ユーザーさんからは、もちろん人気で良く活用されていたわけで、公式コンテンツを見ているという普通の(健全な?)ユニークユーザー数はきっと当初は、一般サイトより多かったと思います。ですが、アダルトサイトが出現した事もあり、一般サイトで消費されたパケット量は半端なく大きくなっていったのでした(笑)。

結果、公式サイトと一般サイトのダウンロードされるパケット量の比較は、2対8もしくは3対7で圧倒的に一般サイトが大きくなってしまいました。当時、パケ死された皆様、ご愁傷様です。

まさにエロの威力恐るべしという感じでありましたね。メディアの発展にはいつの時代にもエロは求心力になるとあらためて思い知らされた次第です。

小さい画面でお世話になったアナタ、手を上げて、って冒頭に戻る(笑)。 うそです、次回に続きます。

(第1回終了 次回につづく)

山口善輝
山口善輝

株式会社リクルートにプロパー入社。新規事業開発を経てマーケティングビジネス事業部でマーケティング関連の営業を主務とする。1999年5月に株式会社NTTドコモに転職。iモードビジネス部を経て、コンテンツ&カスタマ部にて、iモードおよびドコモのモバイルコンテンツの開拓及びシステム支援を担当。iモードのコンテンツの責任者として、長らくiモードの成長に貢献。NTTドコモ退社後、フィールズ株式会社取締役、プライムワークス株式会社(現JNSホールディングス株式会社)取締役、株式会社ディースリー取締役、株式会社フューチャースコープ取締役、株式会社角川春樹事務所取締役、株式会社マーベラス取締役などを歴任。モバイル分野のみならず、広くゲーム及びIT系全般そして、コンテンツ、eコマース及び権利ビジネス等に詳しく、豊富な人脈によるアライアンス及び数多くの新規ビジネスを現在も立ち上げ続けている。