日本国内では、グリーンボンド国債の動きはまだ見えず、地方債が先行する形になっている。
東京都は最もはやく、2017年度に自治体としてはじめてグリーンボンドを発行した。「東京グリーンボンド」として、2017年度に200億円、2020年度に300億円、そして、2021年度には400億円を発行する計画。スマート都市への取組みや、緑化、都市公園といった自然環境保全、豪雨などの気候変動への適応に充てられる。長野県、神奈川県では2020年度から発行している。
川崎市は政令指定都市としてははじめての市債をグリーンボンドで50億円を発行。三重県(みえグリーンボンド)、福岡市でも発行の準備が進んでいる。みえグリーンボンドでは防災・減災やEV導入に加え、真珠養殖用のアコヤガイの成育環境改善も盛り込んだ。50億円の発行を計画している。
日本国債としてのグリーンボンドはどうか。財務省は6月の有識者懇談会で、環境国債に関して「現時点で直ちに発行することは考えていないが、海外の動向などには注視していきたい」としている。
金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議では、開示情報の充実、市場機能の発揮、金融機関の投融資先支援リスク管理について検討が進んでいる。
国や地方自治体によるグリーンボンド発行は国内でもこれから拡大すると思われる。同時に、タクソノミーや情報開示についての専門性もこれからは求められることになる。機関投資家や世界の運用会社との信頼関係構築も求められるようになるだろう。
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