3月28日、20時30分から21時30分の1時間、世界各地で照明を消して、気候変動問題をちょっと考えてみる、そんなイベントがあります。
Earth Hourが始まったのは、2007年、オーストラリアのシドニーでした。それ以前からも、電気を使うことについて、一緒に考えるきっかけにするイベントとして、Candle Nightなどが世界各地で行われてきました。
シドニーでは、WWF(世界自然保護基金)とそのパートナーによって、消灯イベントとして行われたことをきっかけに世界各地に拡大し、2019年には188の国と地域が参加しました。このときは、東京スカイツリーをはじめ、広島の原爆ドーム、パリのエッフェル塔、ギリシャのアクロポリスなどが消灯しました。
照明が消えた暗い世界、それは地球の本来の夜です。しかし、多くの夜行性動物は絶滅の危機に瀕しています。自然の夜の姿を取り戻してみることで、自然について思いはせることができます。
もちろん、電気を消費していくことは気候変動にもつながっていることも、忘れてはいけません。
当日は、各国の標準時にしたがって、数百万人の人々が消灯します。イベントが地球を一周していくということです(今年はコロナウィルスの影響もあり、オンラインイベントや家庭での参加を促しています)。Earth Hourロゴの「60+」とは、60分間、環境問題のことを積極的に考えてみようという意味が込められています。
Earth Hourでは参加者の声を集め、政府にも伝えていきます。WWFによると、これまでに、ウガンダで2,700ヘクタールのEarth Hourの森をつくり、エクアドルではビニールやプラスチックを禁止する法律、インドネシアでは2万本のマングローブの植林につながっているということです。誰でもオンラインで参加者はメッセージを送ることができます。
オフィシャルビデオでは、アントニオ・グテーレス国連事務総長をはじめ、各国の政治家・俳優から市民まで、さまざまな人の声を紹介しているということです。
Earth Hourには、個人でも法人でも参加できます。残念ながら日本のイベントは中止のようですが、家族とともに消灯した時間を過ごすのもいいでしょう。
夜の闇の中で、地球と自然について想像してみてはいかがでしょうか。
- Earth Hour:https://www.earthhour.org
- アースアワー 日本語特設ページ:https://www.wwf.or.jp/campaign/earthhour/
(Text:本橋恵一)