脱炭素関連のグリーン国債への投資が加熱している。欧州各国では発行額に対して投資家の入札額が大きく上回る事態が続いている。グリーン国債とは、気候変動対策、環境事業に調達資金を充てる目的に絞った国債のこと。
イギリス政府が今月21日に100億ポンド(137億米ドル)を発行したところ、投資家からの応募は10倍の1,000億ポンドに達するほどに殺到したとロイターが伝えた。
今回の英国グリーン国債は資金使途が洪水対策、洋上風力発電など再生可能エネルギーの建設、温室効果ガス排出量ゼロのバスの導入などに厳しく制限される。
償還期間は2033年7月(12年)、表面利率は0.875%、発行利回りは0.8721%。2032年償還の通常国債を7.5ベーシスポイント上回っている。
英国政府は10月にも追加のグリーン国債を新規発行する予定で、年内に150億ポンドの調達を目指す。
実は英国は欧州のグリーン国債の発行では後発組だ。ドイツ、フランス、スペインなどの欧州各国ではすでにグリーンボンドは広く発行されている。
今年3月には、フランスが2017年に続く2回目のグリーン国債を発行。70億ユーロ(83億ドル)に対し、345億ユーロの入札がおこなわれており、ここでも人気ぶりがみられる。
イタリアも同月、85億ユーロの調達に対して800億ユーロの入札があった。ドイツでは今年5月、3回目のグリーンボンド発行があったが、60億ユーロの調達に対して390億ユーロの入札があった。
EU(欧州)でもこの10月に発行予定があり、NextGenerationEU(次世代のためのEU)基金のため最大2,500億ユーロの発行準備を進めている。
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