従来、企業の気候変動リスク開示、ESG開示基準はCDPやTCFDなどさまざまなフレームワークが混在していた。そのひとつひとつに企業は対応せねばならず、企業の負担になっていた。さらに、そのフレームワーク自体も改訂が続いていた。
また、TCFDについてはどちらかというと定性的な報告であることが指摘されており、IFRS財団による会計基準をベースにした、より定量的な報告が機関投資家からは求められていた。今回のISSBの設立は、こうした求めに応じた統一開示フレームワークをつくるものだ。
IFRS財団は現在、日本を含む140ヶ国以上が採用しているIFRS会計基準を、IASB(国際会計基準審議会)を通じて管理している。それと同じようなしくみでISSBを通じてサステナビリティ基準ができることになる。
IFRS財団プレスリリースより
ISSBは南北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカの各オフィスを通じ、世界的なフットプリントの管理と区域ごとのメカニズムをつくっていく。投資家はグローバルベースと地域別の比較可能な情報を得ることができるようになる。
日本では今年6月のコーポレート・ガバナンスコード改訂で「TCFD、またはそれと同等の枠組みに基づく開示」を上場企業に求めたが、今後ISSBにも対応していく可能性も十分考えられるだろう。
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