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ENEOSの必死の脱炭素転換 再エネ企業買収は吉と出るのか?

ENEOSの必死の脱炭素転換 再エネ企業買収は吉と出るのか?

2021年10月11日

将来的に石油や石炭など化石燃料の減少が避けられない中、今年に入り、構造転換に向けて焦りが見えていたENEOSホールディングス。ENEOSの様々な取り組みについて、これまでも解説してきたが、水素への注力だけでは、本格転換は難しく、ENEOSは厳しいのかと思われていた。そうした中、10月11日に再生可能エネルギー大手を2,000億円で買収すると正式に表明した。ENEOSによる買収の狙いとは何か。将来戦略について、ゆーだいこと前田雄大が解説する。

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なぜ、ENEOSは再エネ新興を買収したのか

今回、買収対象となったジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)、JREについてはよく知っているが、報道を聞いた当初は、「そこを買ったか」と正直、驚いた。

買収によって、再エネ色を出していく、ということもあるが、その中でも特に狙いたい分野が見えてきた。さらに、そこから派生してくる戦略も見えてきたときに、この買収戦略がENEOSの構造転換の成否の鍵を握るかもしれないというところも、また見えてくる。

なぜか。世界でも同じように転身をはかり、成功を収めている企業がいるからだ。

そこで、今回の買収報道について紹介した上で、次の4つの論点について解説したい。

  1. 買収されるJREとはどういう会社なのか
  2. ENEOSがJREを買収する狙いはズバリどこなのか。その後の戦略も分析
  3. ENEOSの先例ともいえる世界的な企業とはどこなのか
  4. 投資対象としてどうなのか

買収報道について・・・次ページへ

前田雄大
前田雄大

YouTubeチャンネルはこちら→ https://www.youtube.com/channel/UCpRy1jSzRpfPuW3-50SxQIg 講演・出演依頼はこちら→ https://energy-shift.com/contact 2007年外務省入省。入省後、開発協力、原子力、官房業務等を経験した後、2017年から2019年までの間に気候変動を担当し、G20大阪サミットにおける気候変動部分の首脳宣言の起草、各国調整を担い、宣言の採択に大きく貢献。また、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。 こうした外交の現場を通じ、国際的な気候変動・エネルギーに関するダイナミズムを実感するとともに、日本がその潮流に置いていかれるのではないかとの危機感から、自らの手で日本のエネルギーシフトを実現すべく、afterFIT社へ入社。また、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関である富士山会合ヤング・フォーラムのフェローとしても現在活動中。 プライベートでは、アメリカ留学時代にはアメリカを深く知るべく米国50州すべてを踏破する行動派。座右の銘は「おもしろくこともなき世をおもしろく」。週末は群馬県の自宅(ルーフトップはもちろん太陽光)で有機栽培に勤しんでいる自然派でもある。学生時代は東京大学warriorsのディフェンスラインマンとして甲子園ボウル出場を目指して日々邁進。その時は夢叶わずも、いまは、afterFITから日本社会を下支えるべく邁進し、今度こそ渾身のタッチダウンを決めると意気込んでいる。

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