11月15日、経済産業省は「第4回半導体・デジタル産業戦略検討会議」において半導体産業基盤緊急強化パッケージとして、3つのステップによる実行計画を示した。半導体は電動車や風力発電向けの電力制御デバイスとして、脱炭素の観点からも欠かせない重要なピースだ。
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減産が続く自動車産業をはじめ、現在、さまざまな産業において半導体不足の影響が深刻化している。それと同時にDX(デジタルトランスフォーメーション)など、デジタル技術の活用とそれを支える半導体はますます重要性を増しており、経済安全保障の観点から、国家としての確保策が求められている。11月9日に、世界的大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設に際して5,000億規模の支援を行ったのも、その一環だ。
経済産業省「第4回 半導体・デジタル産業戦略検討会議『半導体戦略の進捗と今後』」より
経済産業省は、DXの進展の影響によって右肩上がりを続ける半導体市場は、2030年には約100兆円規模になると試算している。ボリュームゾーンとされるスマホ・PC・DC(データセンター)・5Gインフラ用の半導体は、米国・韓国・台湾が席巻しているが、今後は、5Gやポスト5Gインフラを基盤とした、新たな半導体需要の波が見込まれる。そして、そのタイミングこそが日本参入のラストチャンスであり、そこを逃さないための支援案をまとめたのが、今回の半導体産業基盤緊急強化パッケージなのだ。
経産省が唱える3STEPは下記の通りだ。
【STEP:1】国内製造基盤の確保
【STEP:2】次世代半導体技術の確立
【STEP:3】グローバル連携による将来技術の開発
STEP1では、国内の製造基盤の緊急強化に臨む・・・次ページ
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