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COP26開催が新型コロナウィルスの影響で赤信号 気候変動対策は待ったなし

COP26開催が新型コロナウィルスの影響で赤信号 気候変動対策は待ったなし

EnergyShift編集部
2020/03/26

ヨーロッパで新型コロナウィルスが猛威を振るっている。欧州各国政府は対応に追われており、イギリスでも混乱が増している。日本では7月に行われる予定だった東京オリンピックの延期が決定したが、イギリスでは11月に行われる予定のCOP開催が危ぶまれている。

COP26は11月開催だが、対策は長引く恐れ

COP26(第26回気候変動枠組条約締約会議)は2020年11月、イギリスのグラスゴーで行われる予定だ。2019年末に行われ、しかし、明らかな成果に乏しかったCOP25を受けて、イギリス政府、並びにボリス・ジョンソン首相はやる気を見せていた。

しかし、新型コロナウィルスとそれに対抗するイギリス政府によって赤信号が灯り始めている。イギリスは日本時間3月25日の時点で感染確認された人が8,000人を超え、422人が亡くなっている。24日(日本時間)には罰則を伴う外出制限命令がでた。葬式は許可されるが、結婚式は禁止された。3人以上の集会は解散させられたり罰金が科されたりする。

COP26は世界中から195の政府と3万を越す関係者が集まるイベントだ。「イギリスがこれまでに開催した中でも最大級の国際サミット」とも言われている。

まだまだ先の話だと思われるかもしれない。しかし、インペリアル・コレッジ・ロンドンのCOVID-19対策チームによると、3月末から対策を5ヶ月間行ったとしても、9月の行動制限緩和で再び感染が拡大し、集中治療病床がたりなくなる恐れがあるという。(このチームの提言はイギリス政府のコロナウィルス対策を当初の「集団免疫」路線から「封じ込め」路線に変更させた)。

開催か、延期か、オンラインか

政府と関係者はそのまま開催するか、延期、もしくはオンライン開催を検討している。

イギリスの著名な経済学者、Nicholas Stern氏はボリス・ジョンソン首相に延期しないように助言していると英ガーディアン紙は伝えている。延期した場合、COPの課題解決が遅れることになってしまうが、地球温暖化対策は喫緊の問題であると述べた。
COP26では各国の温室効果ガス排出抑制を「より厳格に」するための計画を各国が打ち出すことになっており、延期によりこの流れにブレーキがかかるのではないかと危惧しているのだ。

長年COPに携わっているアフリカのシンクタンク、パワー・シフト・アフリカのMohamed Adow氏も、「まだ中止の決定には早すぎる。気候変動へのアクションが今年はないことになるかもしれないし、貧しい国の人々にはそんな余裕はない」と同紙に語っている。

一方、グリーンピースUKのJohn Sauvenエグゼクティブ・ディレクターはCOP26に延期を促している。延期すればその間に対策を練る時間も取れるだろうと述べているが、これはCOP26の1週間前に行われるアメリカ大統領選挙を意識したものだ。パリ協定からの離脱は選挙翌日に発効する。選挙の結果次第ではアメリカの対応が(良い方向に)変わるかもしれないと考えているのだ。

英国政府の元主任科学顧問David King氏はラジオでCOP26開催の延期、またはオンライン開催の可能性に言及したが、英NGO、Energy & Climate intelligent unitのRichard Black氏は、オンライン開催に否定的だ。
小規模会議ならば可能だが、COP全体会議などはオンラインでは不可能だと英Independent紙に語った

その理由として、時差だけでなく、参加国にはオンラインが発達した国ばかりではないことを挙げる。

つまり、途上国にはオンラインのインフラが未整備の国もあり、そうした国こそCOPには重要なのだ。市民参加のプログラムや科学者によるセッションも多く開催されるが、世論喚起の点から言っても、市民参加プログラムを軽くみることはできない。

9月にはイタリア・ミラノでユースサミットの計画も

COP26はイタリアと協力しあっての開催になる。COP26の準備イベントとして9月28日からミラノでユースイベントなどが開催される予定だが、現在のイタリアは中国に次ぐ感染者数となり外出禁止令が敷かれている。このイベントも先行きがわからない。

国連気候変動事務局(UNFCC)は2020年4月末まで物理的な会議は行わず、公式任務は停止されている。3月24日から27日の日程で開催の第17回適応委員会(Adaptation Committee)は新型コロナウィルス対策のためにYoutubeでのライブ開催になった。

2020年6月にはボンで中間会議が行われる予定で、その開催については早期に決定をしなければいけない。この中間会議開催を含め、COP26からの正式なアナウンスはまだない。

小規模・オンライン開催にするのか、予定通りの開催になるのかは不透明だが、前述の通りこの会議には、気候変動の影響を一番受ける貧しい国々の参加、若者の意見表明こそが重要だ。開催国イギリスには難しい舵取りが求められている。

(Text:小森 岳史)

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