10月25日、自民党の麻生太郎副総裁が「温暖化のおかげで北海道の米がおいしくなった。」という趣旨の発言をし、その地球温暖化を肯定するような内容に対して、物議がかもされている。一般に、日本で栽培されている米の多くは、高すぎる気温に弱いとされているが、実際のところはどうなのか。各所で波紋を呼んでいるこの発言をめぐり、EnergyShift編集部では、温暖化と米の関係性について迫っていく。
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まず、問題となった麻生氏の発言は、北海道小樽市での、衆院選自民党公認候補の街頭演説会でのものだ。その内容は下記の通りである。
「今、北海道はいろんな意味であったかくなった。平均気温が2度上がったおかげで、北海道のお米はおいしくなった」
「地球温暖化って悪い話しか書いてありませんが、いいこともあります」
「昔、北海道のお米は『やっかいどう米』って言うほど売れない米だったんだ。今はその北海道が、やたらうまいお米を作るようになった。農家のおかげですか?農協の力ですか?違います。温度が上がったからです」
(共同通信社の公式YOUTUBEより)
農業関係者へ向けた麻生氏の発言が非常に配慮を欠いたものであり、気候変動についてもこれだけ国際社会が対策を議論している中、その恩恵を享受したかのような発言自体は、首をかしげざるを得ないが、ここではそこは一旦置いておくとして、今回は、本当に温暖化によって米の味がおいしくなるのか。その点に注目して迫っていく。
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