これは今後細かい検証が必要だが、ネットの影響力が大きいのではと考えている。私たちが子供の時代はメディアパワーといえば、地上波の影響力が圧倒的でついで人気雑誌が有力であった。しかし今日の若者はなりたい職業にYouTuberがランクインしたりするように、動画配信サービスやSNSをはじめとしたネットメディアの影響力が大変大きいのである。
私たちファミ通マーケティングチームが2017年に行った子供調査(こどもマーケティング白書2017 (ファミ通マーケティング)をご参照願いたい)においても同様の結果が出ていた。さらに実況配信やSNSで取り扱われるものはゲームやエンタメを題材・ネタにしたものが多く、ワールドワイドにおいても子供や若者における人気YouTuberはゲームやアニメ等のエンタメ好きが多い。
前述の通り、エンタメの世界観が環境問題を考えざる得ない世界観であることに加え、環境問題とかEnvironmentalというキーワードを入れれば即座に関連情報が出てくるのがネットメディアの特徴である。つまり、ネットリテラシーの高いエンタメ好きの若者世代は、総じて環境問題リテラシーが高いのではないだろうか?
ここにまた、エンタメと環境問題のクロスを見いだせるのではとも感じている。
エンタメに従事してきた者として、今回の原稿テーマを改めて再構築し直してみると、環境問題とは、言い換えるならば〝明るい未来〟の実現であり、その実現が失敗するとエンタメの設定とかでよくある絶望的な未来になるよということなのである。
脱炭素社会や環境問題を突き詰めると、「それはやばいよ」という問題意識がエンタメ創造の源となり、持続可能な社会や世界をイメージし、作品として成就する。
また、エンタメ好きな多感な若者はネットメディアの申し子である。未来を担う若者世代とエンタメ、そして環境問題。これらを紡ぐ糸を探っていくと意外な事実が垣間見えるかもしれない。いかがだろうか?
と、光明が見えたところで、次回からはエンタメの領域から、様々な角度で環境問題や脱炭素社会、SDGsに切り込んでいこうと思う。
第2回に続く 11月中掲載予定
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