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拡大するグリーンボンド 2022年には世界で1兆ドル予想 国内では自治体の動きも活発に

拡大するグリーンボンド 2022年には世界で1兆ドル予想 国内では自治体の動きも活発に

2021年11月15日

資金目的を環境や社会課題に限定したESG債(日本ではSDGs債とも)が拡大している。中でも伸びが高いのは、環境への使途目的に限定したグリーンボンドだ。調査では、2022年には発行額が1兆ドル(100兆円)を超え、国が大型のグリーンボンドを発行するケースも目立つ。日本国内でも企業だけでなく、自治体が市債、県債として発行する動きも出てきた。

2021年のグリーンボンド発行額は過去最高の5,000億ドル 2022年には1兆ドルに達するか

英国の非営利団体、クライメート・ボンド・イニシアチブは10月28日に世界のグリーンボンド(環境債)についてレポートを公開した。それによると、世界のグリーンボンドは2022年に1兆ドルに達すると投資家達は予測している。

調査は、企業や資産保有者、運用担当、格付会社など353社にアンケートを実施。グリーンボンドが1兆ドルを超えるのはいつか、という問いで、来年2022年の第4四半期との答えが約25%を占め、最も多かった(選択肢ひとつのみ)。

次いで23年の第4四半期(13%)、23年第2四半期(12%)、23年第3四半期と続く。

今年、2021年はコロナ禍からの回復もあり、過去最高のグリーンボンドが発行されると同団体は見ている。

2020年のグリーンボンド発行額は2,970億ドル。2021年の上半期だけで2,278億ドルを達成。2021年第3四半期では3,540億ドルを記録した。2021年1月の予想である4,000億ドル〜4,500億ドルから上積みし、2021年全体では5,000億ドルのグリーンボンドが発行される見込みだ。

クライメート・ボンド・イニシアチブのショーン・キドニーCEOは、「2022年末であれ、2023年中であれ、待望の1兆ドルという節目が市場で現実のものとなろうとしています。しかし、気候危機は拡大しています。今こそ、私たちはより高い目標を目指す時です。2025年までに年間5兆ドルのグリーン投資を実現することが、政策立案者とグローバル金融が達成すべき新たな指標となるはずです」とコメントしている。

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小森岳史
小森岳史

EnergyShift編集部 気候変動、環境活動、サステナビリティ、科学技術等を担当。

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