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「私たちは、ブンアン 2 への融資の今すぐの撤退を求める」Fridays For Future Japanからの報告

「私たちは、ブンアン 2 への融資の今すぐの撤退を求める」Fridays For Future Japanからの報告

2021/02/10

シリーズ Fridays For Future Japanからの報告

世界の金融機関は石炭火力発電への投融資から撤退が続く。だがベトナムで計画中の石炭火力発電所に、日本のメガバンクが協調して融資しようとしている。Fridays For Future Tokyoは、この融資の中止を強く求めている。その理由とは。

「ブンアン2」って新作映画?

ブンアン2」という言葉を聞いたことはあるだろうか。

おそらくほとんどの日本人はNOと答えるだろう。私の大学の友達に聞いたらおそらく99.9%は「なにそれー?新作映画―?」などと答えると思う。

ブンアン2とは、ベトナム中部で建設が計画されている石炭火力発電所だ。既にあるブンアン1の隣に作る予定だそうだ。計画自体は 10年以上前の2006年頃から始まっていたらしい。

石炭火力発電と聞けば、私が何を言いたいかはほぼ分かると思う。ブンアン2が建設されると、今後約25年にわたってCO2を排出し続けると予測されている。

3大メガバンクがベトナムの石炭火力に融資?

日本政府は2050年にカーボンニュートラルを宣言し、石炭火力発電の輸出をしない方針を決めたのにも関わらず、この案件への融資を決定した。ブンアン2建設に融資をしたのは、3大メガバンクであるみずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行や韓国輸出入銀行、公的銀行である国際協力銀行などだ。

日本のメガバンクは「石炭火力発電の新規建設へのファイナンスは行わない」という方針を打ち出していたにも関わらず、それに矛盾する決定である。

その融資額は日本円で約1,800億円にも上る。個人的には、そんなに大金を注ぎ込んでCO2を排出するなんて、よっぽど地球が嫌いなのかと思ってしまう(もちろん、地球が嫌いで私たちの未来をはちゃめちゃにしたいから融資を決めたわけではないのは百も承知だが)。

ブンアン2の問題はCO2だけではない

ブンアン2が稼働することによる問題点は、CO2排出以外にもある。

ひとつは、石炭灰による大気汚染だ。もうひとつ、再エネの導入コストが下がってきていることを踏まえると、石炭火力発電の運営コスト上昇によりベトナムは経済損失をすることになる可能性がある。ベトナムは長い海岸線を有しているため、沖合5〜100kmの海域は風力発電160GWの潜在力を持っている。それにより大規模な雇用や投資喚起も期待できるのだ。


Fridays For Future JapanのInstagramより

イギリスの銀行は撤退を決めた

かねてより世界中の環境団体がブンアン2の開発に反発しており、欧州を中心とする20余りの投資家が撤退を求める書簡を送り、イギリスのスタンダードチャーダード銀行は既に撤退を決めている。

このようにこの問題一つをとっても世界は石炭火力発電から積極的に距離をとっていっている。しかし日本は、海外への石炭火力に対する公的支援額が世界中の国々の中でなんと第2位、2017年から2019年の石炭火力事業者への融資額の上位を日本の3大メガバンクが独占しているのが現状である。


Fridays For Future JapanのInstagramより

3大メガバンクに私たちの願いを伝えよう

このことに対しては、昨年、 2020年上旬に環境NGOの350.orgが企画した、3大メガバンクに顧客として脱炭素をもっと経営方針に組み込んでほしいと電話で伝える「もしもしキャンペーン」を展開、Fridays For Future Tokyo はみずほ銀行に対して新規の石炭火力への融資を辞めることを求めて昨年春に本社前でスタンディングアクションを実施してきた。


3/6 みずほアクション✊ Fridays For Future TokyoのFacebookより

私たちの願いは、未来を気候危機から守るために石炭火力への融資を止めて欲しいということだ。直接的な出資をしている三菱商事、そこに融資をしている日本の民間銀行および公的金融機関は、ブンアン2石炭火力発電事業から今すぐ投融資を撤退してほしい。

いや何してんの!!!

世界中が脱炭素にむけて様々な政策を進める中で、この投融資は無責任な行為だ。聞き慣れない「ブンアンツー」というカタカナ語で、なおかつベトナムの発電所の話。普段環境問題に対して積極的に学ぼうと思っている私も、初めはどこか他人事に感じていた。

しかし、クラスのみんなが教室掃除をしているときに、数人がゴミ袋を持ってきて中身をばら撒き出したらそれまでの努力が水の泡になる。そんなイメージで考えてみたら、「いや何してんの!!!」と突っ込まずにはいられないだろう。

じゃあ何ができるのか

じゃあ何ができるのか。まずはこの問題を知り、こんなことが知らぬ間に起こっているということを多くの人に伝えることも大事。そして、石炭のある未来に加担しないこともとても大切だ。

化石燃料や原子力に融資している銀行からクリーンな銀行に口座を移す、またはそういった銀行への投資をやめる。つまりダイベストメントだ。心の中で「これはまずい」と思っていても、行動にしないと残念ながらその思いは誰にも届かないし何の力も持たない。

ここで道を誤ってしまったら、私たちの未来が危ない。

私たちの未来を守るために、私たちは今日も声をあげる。

メッセージビデオ「NO COAL FOR OUR FUTURE」

参考:
https://www.instagram.com/p/CJk9RbcnYm6/?igshid=4nxur7724lnw
https://www.instagram.com/p/CJk93vbH660/?igshid=1vf2bmjcyl40v

編集部より:ベトナムは2000年以降、安定した経済成長が続いており、世界銀行の2020年6月の経済見通しによっても、2020年度2.8%の成長が見込まれています。電力需要もそれに伴い伸びていますが、対応する発電所の建設が急務という状況です。しかし、ベトナムのエネルギーアナリストは、今後の石炭火力発電所については困難になると予想。再エネ導入が拡大すると見られています。ブンアン2の問題については、350.orgのコラムにも詳しい経緯が掲載されています。2021年1月には日本の官民に対して要望書が39ヶ国、128団体から提出されました。)

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黒部睦
黒部睦

国立音楽大学 演奏・創作学科1年。高校生の頃にSDGsに心打たれ、様々なイベントや研修に参加。昨年、2019年度少年少女国連大使として活動する中で環境問題の深刻さを知る。現在はFridays For Future Tokyoのオーガナイザーとして活動中。 https://fridaysforfuture.jp

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